1996 Fiscal Year Annual Research Report
「長恨歌」から『長生殿』に至る楊貴妃故事の演変史研究
Project/Area Number |
08610460
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹村 則行 九州大学, 文学部, 教授 (60117158)
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Keywords | 楊貴妃 / 長恨歌 / 梧桐雨 / 『驚鴻記』 / 『驚鴻記校注』 / 『長生殿』 / 『長生殿箋注』 / 『楊貴妃文学史研究』 |
Research Abstract |
本研究課題に関わる『長生殿)に集大成された楊貴妃故事の出処については、旧唐書・新唐書・資治通鑑・安祿山事迹等の歴史記事から、長恨歌・長恨歌伝・楊太真外伝・梅妃伝・梧桐雨・驚鴻記・天宝曲史等の文学作品、更には雑多な随筆等に至るまで実に数多い。 本研究は、これらの数多くの文献資料を逐一確認しながら、清代の代表的な戯曲『長生殿』について、主に楊貴妃故事の出処の方面から読解し、考察しようとしたものである。 研究代表者は、このテーマについて1980年代から継続して取り組んでおり、これまで既に20篇近くの関連論文を発表しているが、今年度および来年度以降にかけての研究の顕著なものは次の通りである。 (1)明・呉世美『驚鴻記』の校注が今年の「校注驚鴻記(五)」で完結し、これまでに発表した五分冊の校注を『驚鴻記校注』としてまとめ、来年度中に研究成果として発刊すること。 (2)研究代表者の従来の研究成果を総合したものとして、『長生殿』の新注を『長生殿箋注』と命名して発刊すること。(1997年夏に中州古籍出版社と契約、1999年刊行予定。康保成氏と共著。自費出版) (3)上記の『長生殿箋注』をもとにして、日本では大正年間の塩谷温の訳注以来出来ていない『長生殿』の新訳注への取り組みを開始したこと。1997年3月現在、全体の2割の原稿が完成。全体の完成にあと8年かかる。 (4)研究代表者がこの十数年間に発表した20篇の楊貴妃故事関係の論文を、『楊貴妃文学史研究』として一冊の学術研究書にまとめるべく構想していること。この構想は、印刷費等の事情からまだ出版実現の段階に至っていない。
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Research Products
(2 results)