1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610491
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
大泉 昭夫 同志社大学, 言語文化教育研究センター, 教授 (00066218)
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Keywords | Geoffrey Chaucer / 中期英語コンコーダンス / 中期英語辞書 / 中期英語語曽根彙論 |
Research Abstract |
1991年に刊行したAkio Oizumi編A Complete Concordance to the Works of Geoffrey Chaucer(全10巻)は「見出し語化されていない」(unlemmatized)コンコーダンスである.これは,「見出し語化」(lemmatization)は,コーパスの辞書(lexicon)と文法(grammar)の作成の後に,これに基づいて行なわれるべきである,との考えによる.カナダのトロント大学で推進されているDictionary of Old English編纂事業は,辞書の編纂・記述に先立ち2種のマイクロフィッシュ版コンコーダンスを作成し,1980年と1985年に刊行した.これらはいずれも「見出し語化されていない」.その理由は,チョーサー・コンコーダンス研究事業の場合と同じである. チョーサー・コンコーダンス研究事業の究極の目標はA Chaucer LexiconとA Chaucer Grammarの作成である.これの実現のために「見出し語化された」コンコーダンスの作成に着手したのである.「見出し語化」には,辞書項目と文法項目の記述がより客観的・組織的に遂行されなければならない. 平成8年(1996年)度に実施した研究は次の通りである.1.辞書項目の「見出し語化」と記述のために,(1)Norman Davis編A Chaucer Glossary (1979年)とLarry D. Benson編A Glossarial Concordance to the Riverside Chaucer (1993年)の再吟味および辞書項目のデータとしてコンピュータ入力化,(2)A Complete Concordance to the Works of Geoffrey Chaucer (1991年)の再点検.2.文法項目の「見出し語化」と記述のために,(1)Udo Fries著Einfuhrung in die Sprache Chaucers : Phonologie,Metrik und Morphologie (1985年)を利用する作業と準備,すなわち,例文を新しい校訂版The Riverside Chaucer (1987年)から引用することとEinfuhrungの日本語版の作成,(2)日本中世英語英文学会第12回全国大会(1996年12月7日・8日に同志社大学田辺校地で開催)において「Tauno F. Mustanoja (1961)再考--A New Middle English Syntaxへの試み」と題するシンポジウムの企画と司会.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大泉昭夫: "英語史・歴史英語学文献解題" 東京:研究社(印刷中), (1997)
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[Publications] Akio Oizumi: "English Historical Linguistics and Philology in Japan 1950-1994. In Jacek Fisiak Festschrift" Berlin / New York : Mouton de Gruyter(印刷中), (1997)