1997 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ語教育における日本人教員と外国人教員による共同授業の可能性について
Project/Area Number |
08610505
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
寺田 龍男 北海道大学, 言語文化部, 助教授 (30197800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ズィークリット ホルツァ 北海道大学, 言語文化部, 外国人教師
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Keywords | ドイツ語教育 / 共同授業 / ネイティヴ・スピーカー / 文法訳読方式 / 言語習得 / コミュニカティブ・メソッド |
Research Abstract |
平成9年度は、前年度の概要報告で今後の課題とした点、すなわち「日本人教員と外国人教員が初めから統一プログラムで受け持ったクラス(以下『実験クラス』と略す)」における読解力の展開を中心に考察を進め、さらに4技能の試験結果などのデータをすべてコンピューターで分析した。これによると、与えられた読解テクストの「大意把握」、「細部の理解」とも実験クラスの履修者の力がいわゆる「文法訳読クラス」の受講者に比べて劣る点はなんら見られない。しかも研究対象の全クラスで実施したアンケートを集計した結果、実験クラスの参加者の方が「未知の文章を読む」ことに対する不安や抵抗感がはるかに小さいだけでなく、きわめて多くの学生が外国人教員による履修を望んでいることが判明した。したがって、既に報告した通り「聞く・話す・書く」力の展開でも実験クラスの方がより大きな効果を期待できることから、語学の授業においては極力最初から日本人教員とネイティヴィスピーカー教員が統一プログラムによって授業を行うべきであるという結論が得られた。 なお全国的には、必ずしも外国人教員と共同の授業を行える条件が整っていない場合も多々あると思われる。そうした状況にも対応する可能性を探るため、今年度は実験クラスと平行して日本人教員のみが受け持つ3クラスでも同じ構想に基づく授業を行ったが、そこでも実験クラスに比肩しうる成果を上げることができた。とりわけ再履修を余儀なくされた学生のみを集めたクラスで予想外の好結果が得られたのは大きな収穫である。(これらについては別に報告する予定である。)
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