1996 Fiscal Year Annual Research Report
フォーカスの生成、知覚に関する生理・音響音声学的研究
Project/Area Number |
08610522
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桐谷 滋 東京大学, 医学部, 教授 (90010032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 喜久雄 国立国語研究所, 言語行動研究部, 主任研究官 (20173693)
新美 成二 東京大学, 医学部, 教授 (00010273)
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Keywords | 韻律的特徴 / 声帯振動 / 筋電図 / フォーカス / ボ-カルフライ |
Research Abstract |
日本語の韻律制御に関わる喉頭調節を声帯振動の超高速ディジタル撮影およびファイバースコープによる観察および筋電図学的計測により研究した。 発話内の終端部ではピッチの下降等境界を特徴づける韻律的特徴が存在する。この時の音声振動パタンを超高速ディジタル撮影により解析した結果、発話末の声帯振動停止時には声門は閉鎖したままであり、停止時には声帯の緊張度の増大等の存在が示唆された。又、発話句末にしばしば観察されるボ-カル・フライの生成機序について、声帯が閉鎖状態にとどまろうとする状態にあること、閉鎖の状態より振動が生じてその振幅が数周期にわたってビルドアップした時に再び、強い閉鎖が生じてもとにもどること、そのために数拍子の変動的振動パタンの生ずることがわかった。 日本語のフォーカスの生成に関する筋電図学的研究では、フォーカスの有無により輪状甲状筋の活動のピッチ制御に関する効果の大きさが異なること、フォーカスに伴って胞骨舌骨筋の活動が制御されることが明らかになった。 さらにフォーカスが発話の全体におよぼす影響を持続時間、音声基本周波数(F_0)、母音フォルマント周波数について検討し、又、フォーカスが調音運動におよぼす影響をウィスコンシン大学のX線マイクロビーム装置により測定した。現在分析中であるが、主として下顎の運動に顕著な影響が観察されることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kiritani,S.: "Vocal cord vibration in the production of consonants-observation by means of high-speed digital imaging using a fiberscope." Journal of the Acoustical Society of Japan(E). 17・1. 1-8 (1996)
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[Publications] Kiritani,S.: "Variation in vocal fold vibration associated with intonation pattern." Preprint of the Third Joint Meeting of the Acoustical Society of America and Japan. 2657-2657 (1996)
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[Publications] Kiritani,S.: "Variation in vocal fold vibration associated with prosodic conditions." Proceedings ICSLP. SaA2P1. 18-18 (1996)
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[Publications] K.Maekawa: "Computing Prosody:Computational Models for Processing Spontaneous Speech" Y.Sagisaka,N.Campbell and N.Higuchied.(in press), (1996)