1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610532
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
名波 弘彰 筑波大学, 文芸・言語学系, 教授 (10134181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今橋 映子 筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (20250996)
荒木 正純 筑波大学, 文芸・言語学系, 教授 (80015883)
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Keywords | ポストコロニアル / アジア / 都市 / 表象 / 東京 / 上海 / 満州 / 韓国 |
Research Abstract |
今年度は、主に基礎的な資料の収集と、研究会の開催にあたった。 資料として、日本・韓国・中国などの諸地域に関する研究書・一次資料などを収集した。具体的には、大串夏身編『江戸・東京学雑誌論文総覧』などのビブリオグラフィ、『岩波講座 近代日本と植民地』、古屋哲夫編『近代日本のアジア認識』、『上海百年掠影 1840-1940』、濱正博史『日・中・朝鮮比較文学研究』などの研究書、黒川創『〈外地〉の日本語文学選』などの一次資料集を買い揃え、研究室の書架に開架した。 研究会は、院生も含め、月一回のペースで開催した。六月に、資料収集の作業分担・現時点での研究テーマの予定・予算の配分・今後の研究計画などの概略を話し合った。秋以降、それぞれ個々に定めたテーマに関する個別発表を行い、討議をおこなっている。作家の植民地における主体形成のありようをつかもうと試みた「横光利一『上海』における外国人表象」「安部公房と満州--「探偵と彼」論」「若き韓国人作家における東京留学1920〜1930」、機械化される都市を文学・絵画・写真などがいかに表象したかをとりあげた「機械主義の東京表象」などの発表があった。 来年度には「東アジア地域における都市と文化交渉」というテーマのもとで、論集を目指す。その計画を実現させるべく、研究会での個別の研究報告を引き続き行ってゆく予定である。また外部からの講師の招聘、シンポジウムの開催などの予定をくみいれてゆき、最終的な論集の上梓にむけて論文化をすすめたい。
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