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1997 Fiscal Year Annual Research Report

西洋中世における訴訟法と「公権力」

Research Project

Project/Area Number 08620003
Research Institutionraduate School for Law and Politics, University of Tokyo

Principal Investigator

西川 洋一  東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (00114596)

Keywords訴訟法 / シチリア王国 / 法典 / 都市国家 / 教会法 / 証拠法 / 糾問手続 / 刑事法
Research Abstract

本研究においては、ピ-サを中心として、13世紀の北イタリア諸都市のおける訴訟法のあり方を、既存の研究を中心として検討した後、特に1231年にシュヨウフェン朝のシチリア王国において発布された「シチリア王国勅法集成」の訴訟法の歴史的性格を、条文の網羅的にして詳細な分析と、同時代のイタリア及び教会の訴訟理論及び訴訟実務との比較によって明らかにすることに努めた。この分析の結果、裁判権の編成については、大幅にノルユン期の伝統に依拠していること。しかし同時代の北イタリア都市国家の発展に対応して、訴訟の官僚制的な運営の傾向が強まっていること、召喚については、丁度「シチリア王国勅法集成」発布の頃に集大成されはじめた学識的訴訟法の基本原則を大枠で維持しながら、その範囲内で訴訟の能率化を図っていること、出頭の強制についても、普通法訴訟理論と比較すると高権的色彩は強まってはいるものの、法典発布以前の実務と比較すると、むしろ被告に有利な規律が見られること、和解の可能性が普通法源と比較して制限されていること、証拠法の面では、当時の教会法の訴訟法と比較して、(理由づけなどの点で特色はあるが)大きく異なる点はないこと、糾問手続きを世俗の立法としてはいちはやく導入するものの、当時の教皇庁が打ち出していた諸原則を大きく乗り越えて、被疑者の手続的権利の制限により、犯罪者の刑事訴追を容易にするような傾向は必ずしも見られないことなど、これまで必ずしも明瞭に認識されていなかった多くの事実が明らかになった。更にこれまで収集し得た裁判にかかわる証書の分析によっても、大略、法典の分析から得られた像が確認された。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] 西川 洋一: "シチリア王国勅法集成の訴訟法(1)" 法学協会雑誌. 115・2. 175-254 (1998)

  • [Publications] 西川洋一: "書評"Droit savant et pratiquens Franseaises du Panvoir"Bordeanx 1992" 国家学会雑誌. 110・112. 138-142 (1997)

  • [Publications] 西川 洋一: "Volksgeschichte と Verfassungsgeschichte" 国家学会雑誌. 109・9/10. 902-943 (1996)

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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