1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08620033
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木南 敦 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30144314)
|
Keywords | 動産担保法 / 統一商法典 / UCC / 統一州法運動 / 法改革運動 / アメリカ法 |
Research Abstract |
1. 本年度は、統一商法典第9編の改訂による動産担保法改革の内容を分析して、それが日本法に示唆することを探ることを目標とする3年計画の3年目に当たる。統一商法典は、州法の統一を図りかつ法の内容を改革しようとする法改革運動である。第9編改訂作業の理解を深めるため、統一商法典を統一州法運動の中で位置づける研究を進め、その成果の一部を「統一州法運動と州の立法権」という論文にまとめて『京都大学法学部創立百周年記念論文集』に発表した。 2. 本年も引き続き、第9編の改訂のため作成される草案および関連する資料をインターネットを介して入手し、また、アメリカ法律家協会を代表する第9編起草委員会の助言者による起草委員会に関するニューズレターを入手し、データとして集積し検討を加えた。第9編の現在の内容とそれに対する評価を正確に理解するため動産担保法に関する論文並びに関連する判例を収集し、その内容を整理し分析する作業を進めた。 3. 第9編改訂は、1998年7月に統一州法委員全国会議年次総会で確定案が完成し、1998年改訂の公式解説の付いた正式条文は近く発表される。各州の議会に提案され2001年7月1日に合衆国全州が制定するよう期待されている。この改訂は、内容を現代に適合させ、訴訟でも争われてきた疑問点の解消を図るものである。本年度は個別の規定の内容の検討を進めた。その結果は今後また論文等を通じて発表する予定である。なお、公社債や株式等のセキュリティと呼ばれる権利に対する担保権設定に関して、統一商法典に取り入れられた新しい考え方を扱った論文「証券決済制度における物権法的構成と債権法的構成」を平成10年6月刊行の「現代における物権法と債権法の交錯」に発表した。
|
-
[Publications] "現代における物権法と債権法の交錯" 有斐閣, 453 (1998)
-
[Publications] "京都大学法学部創立百周年記念論文集第1巻" 有斐閣, 543 (1999)