1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパ連合における政策決定および実施過程の変容と展開
Project/Area Number |
08620053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中山 洋平 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助手 (90242065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平島 健司 東京大学, 社会科学研究所, 助教授 (40156659)
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Keywords | ヨーロッパ / 統合 / 政策ネットワーク / 政策(決定・実施)過程 / 政策統合 / 環境政策 / 通貨統合 / 安全保障 |
Research Abstract |
90年代に入ってヨーロッパ統合は急速な進展を見せ、それと共に統合研究も新たな段階を迎えつつある。近年、「ヨーロッパ統合の脱神話化」や「統合理論の脱構築」が主張されているように、現実の統合過程を把握するためには、一旦、抽象的な「理論」を離れ、政策分野毎に進行する政策調整・統合の過程を分析し、統合の深化を可能にした個別具体的な条件・要因を明らかにした上で、新たな理論化を目指すことが要求される。 本研究が統合理論の第一人者と、ヨーロッパ政治、特に政策分析の若手研究者から構成される必然性はここにあった。研究実施途上で前者の急逝という不測の障碍に見舞われたものの、後者はその後も個別テーマ毎に歴史的展開と現状の両面から研究を進め成果の綜合に至った。主に対象としたのは、90年代に共通化が進んだ環境政策、社会保障、帰趨が注目される通貨(財政)統合、政治統合の鍵を握る安全保障・対外政策などである。 国内の政策過程研究で培われた政策ネットワークや政策レパートリーなどの分析枠組を、欧州委員会・閣僚理事会を頂点とするヨーロッパ大の政策過程に適用し、EUレベルから各国政府レベル、更に地方政府レベルや民間アクターまでを巻き込んで展開される政策過程の構造を政策分野毎に明らかにしていく手法が取られた。 その結果、政策分野毎にEUレベル・アクターの役割、ヨーロッパ大の政策ネットワークの成立が各国の政策過程に与えた影響、EU外のグローバルな政治過程との関連、政策過程を支えるリーダーシップのあり方などに顕著な違いが見られることが明らかになってきた。本研究においては、こうした様々な政策調整・統合のパタンを踏まえ、かつ80年代以前との歴史的対比を通じて、90年代の急速な統合の進展を支えた要因(ないし拘束した要因)を析出することで、新たなヨーロッパ統合「理論」構築に向けての第一歩を築き得たものと考える。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 平島 健司: "戦後におけるヨーロッパ政治研究の展開-民主制と民主化の視角-" 社会科学研究. 48巻4号. 73-96 (1997)
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[Publications] 鴨武彦(共著): "政治学" 有斐閣, 296 (1996)