1997 Fiscal Year Annual Research Report
日独比較の視点からの統合的環境政策の現状についての調査研究
Project/Area Number |
08620064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
坪郷 實 早稲田大学, 社会科学部, 教授 (20118061)
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Keywords | 統合的環境政策 / 環境基本計画 / 市民参加 / 都市エコロジー / NPO |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヨーロッパ連合・ドイツの統合的環境政策との比較の視点から日本の環境政策の現状を調査・分析することである。統合的環境政策は、各政策領域において環境保護(環境適合性)という政策要素を統合し、多次元レベルで政策を展開し、その政策の担い手が多様であるという特徴を持っている。この政策の目標は、エコロジー視点から産業社会を再構築することである。 EU・ドイツの統合的環境政策については、ベルリン科学センターのU・ジモニス教授にインタビューを行い、ドイツ教育科学研究技術省の「都市エコロジー」審議会やドルトムント市を初めとする都市エコロジーの実践例について調査をした。この実践例では、特に、都市の持続可能な水循環政策、交通政策(公共交通重視、自転車重視など)、エコ指向の土地利用などに重点がある。ここでは、エコロジー、経済、社会文化の調和が目指され、アジェンダ21の具体化が図られている。 日本の環境政策については、平成8年度に引き続いて、府県と市レベルでの実態を調査した。特に、東京都と小金井市・武蔵野市など都下の市、神奈川県と川崎市、大阪府と大阪市・豊中市を事例にして、環境基本計画(市民・事業者・行政の関係-市民参加、定量的目標の設定、市関連部局間の調整・連携、計画の進行管理)、自治体における環境マネージメントの取り組み、ローカル・アジェンダ21、自然観察・緑の計画などについて調査・分析を行っている。さらに、生活クラブ生協、市民セクター政策機構、シ-ズ(NPO)など市民団体の調査も実施している。
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[Publications] 坪郷 實: "市民活動の時代に-公共政策は誰がつくるか" 山口二郎・生活経済政策研究所編『連立政治同時代の検証』. 朝日新聞社. 175-214 (1997)
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[Publications] 坪郷 實: "ドイツ政治のゆくえと社会民主党の選挙戦略" 生活経済政策. No.11. 6-9 (1997)
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[Publications] 坪郷 實: "統合的環境政策についての対話" シュプリンガー・サイエンス. Vol.12Nr.4. 14-17 (1997)