1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08630011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
古郡 鞆子 中央大学, 経済学部, 教授 (90173533)
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Keywords | 人的資源 / 潜在失業者 / 追加就業希望者 / 多摩ニュータウン / 既婚女性 / 労働力の有効利用 |
Research Abstract |
未活用の人的資源は潜在失業者にみられる。潜在失業者には2つのタイプがある。第1のタイプは就業者の中に潜在化し、第2のタイプは非労働力人口の中に潜在化する。第1のタイプの潜在失業者は、有業者の中の追加就業希望者にみることができる。第2のタイプの潜在失業者は、就業を希望しているが積極的に求職活動をするに至らない者として存在している。未活用の資源の多くは第2のタイプの潜在失業者であり、女性が男性に比べて圧倒的に多くなっている。 本年度は、女性が人的資源としてどの程度未活用の状態にあるか、その有効活用が進まないのはなぜかを分析するために、多摩ニュータウンの既婚女性の就業の実態を調査した。調査結果では既婚女性の就業意欲は高い。非正社員の22%が「いまよりもっと多い時間を働きたい」と思っている。非就業の既婚女性の中でも、機械があれば、あるいは状況が許せばば働きたいと思っている者は、3人に1人を占めている。さらに、いまは働きたくないと思っている女性のうちでも、家庭環境が改善され、賃金がよくいい仕事が出てくれば働くつもりの女性は72%いる。 追加就業を希望している就業女性(第1のタイプの潜在失業者)と、働きたいと思っている非就業の既婚女性(第2のタイプの潜在失業者)を合わせると、潜在失業者の合計は調査対象者(829人)の24%に当たる。実際、この数字を有業の既婚女性に加えてみると既婚女性の潜在的な労働力化率は7割近くに達する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 古郡鞆子: "多摩ニュータウンにおける既婚女性の就業実態" 中央大学生協(出版・印刷係)で調査結果の報告書を小冊子にまとめる。. 75
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[Publications] 古郡鞆子: "非正規労働の経済分析" 東洋経済新報社, 277 (1997)