1996 Fiscal Year Annual Research Report
クラーム経済学の形成とアメリカ社会学:クラークとギディングズの往復書簡の研究
Project/Area Number |
08630017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 敏弘 関西学院大学, 経済学部, 教授 (20079643)
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Keywords | J.B.クラーク / F.H.ギディングズ / 未公表往復書簡 / アメリカにおける限界主義 / 限界生産力的分配論 / 経済学とイデオロギー |
Research Abstract |
「研究目的・研究実施目的」に述べたように、本年度の計画は: 1「J.B.クラーク、ギディングズ往復書簡コレクション」(302点)の概要をまず調査することから始められた。 2 ついで購入したパソコン(FM-DESK POWER H,FUjitu)の操作習熟に努めた。これにはかなりの時間を使ったが、一応必要な操作が可能になった。 3 このコレクションは手書きの書簡が大部分を占め、その数は合計293通に及ぶため、まずそれらの下読みを行い、パソコンにファイルする作業を進めた。 4 次いでその下読み作業で不明な箇所や不確かな箇所を示すブランクをひとつひとつ埋める作業を行った。ブランクはなお残っており、解読は完全とは言えないが、書簡を解読する第1段階は達成されたといえる。 5 書簡の下読みと並行して、社会学者・経済学者としてのギディングズの経歴と研究業績を調査した。 6 この間に、コロンビア大学図書館所蔵のJ.B.Clark Papersに残っている、クラークのギディングズ宛書簡7通を確認し、そのコピーを入手することができた。 7 ギディングズのクラーク宛書簡がかなり多く書かれたに違いないと思われるので、これらの調査を始めたが、これまでのところ発見に至っていない。これは困難だが今後も継続して発見に努めるつもりである。 8 来年度は、書簡の完全な解読を基礎として、クラークの経済学の展開とギディングズとの関連を明らかにし、ギディングズの役割を解明することによって、クラーク経済学の本質理解を深めることにしたい。解読された書簡の刊行を計画している。
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