1996 Fiscal Year Annual Research Report
日米の比較分析にもとつく資産価格決定及び資産市場のダイナミクスに関する理論的研究
Project/Area Number |
08630019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
朴 哲洙 熊本学園大学, 経済学部, 助教授 (80238245)
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Keywords | 資産市場(Asset Marter) / 資産価格決定(Asset Pricing) / 金融(Finance) / 証券(Stokk price) |
Research Abstract |
平成8年度は、まず研究課題と関連のある既存の金融市場や資産価格研究のザ-ベイをしながら申請者がこれまでの研究でえられた結果を整理及び批判的に見直すことによって研究の方向を設定することであった。その目的のためには関連のある広い分野にあたる金融、特に資産市場に関する最新文献を調査、本研究課題の理論的側面から整理した。 主な理論はまず「資産収益の予測」との関係の深いテーマとしてRandom Walk仮説、long-horizon Returns,long-range dependenceの検証などの理論。資産市場の制度的面が短期の行動に反映される点に注目する「市場ミクロstructure」、特にアメリカNYEと日本TSEの両証券取り引き所のミクロstructureを強調し説明することが可能な理論。市場ミクロstructure理論が市場の短期の側面に目をつけるのに対して、長期側面を分析する「現在価値関係」や「inter temporal equilibrium models」などの理論モデルと一部アメリカ市場からの研究成果を整理した。もっと長い期間においての市場判変化に関しては金融市場と企業の融資との関連で証券市場と銀行との相好及補完関係については一部文献調査をおこなった。この点は今までの分析モデルに制度的側面から生じるダイナミクスを正式に取り入れる問題を認識及提起し今後の課題にした。この問題は規制や他の政策との関わり(広い意味では政治過程も含む、モデル化したもの)、金融市場の発展段階(市場や制度の進化と歴史性)など次元の高い側面と直接関係があることも意識した。しかし今後の研究の視野にこの点を入れるかはまだ決めててない。 なお、関連データや資料収集・整理とデータベース化を一部行なった。データの解釈や経済の意味を中心に一部時系列的性格や今後分析に役にたつだろうと思われる時系列理論を整理した。研究のザ-ベイとデータベースに基ついて、理論モデルの設定と分析のための第一次解析やstylized factsの整理を一部実施した。
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