1998 Fiscal Year Annual Research Report
戦前期国勢調査の精度の検討-各種調査の個票の再集計と分析-
Project/Area Number |
08630026
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
佐藤 正広 一橋大学, 経済研究所, 助教授 (80178772)
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Keywords | 国勢調査 / 統計調査史 / 個票 / マイクロ・データ |
Research Abstract |
本研究では、広島県(広島市、深安郡など)において資料所在調査をおこない、その結果発見された個票資料(大正9年および昭和5年国勢調査、戸数割所得調査簿、農業基本調査など)をマイクロフィルム撮影により取得、その一部を用いて計算機可読型ファイルを編成した。さらに、そのファイルをもとに、国勢調査と戸数割データとのマイクロ・データ・マッチングを試み、戦前の初期国勢調査の精度に関していくつかの重要な発見をすることができた。また、これと並行しておこなった調査の過程で、福島県庁の行政資料の中から、大正9年の国勢調査に際して調査員に任命された人々約7000人に関するマイクロ・データ(氏名、生年月日、現職、前職、現住所、担当調査区などを記載)を発見した。これは、本研究当初の計画にはない資料であったが、初期国勢調査を実際に担った人々の属性を明らかにすること可能なデータであるため、最終年度の事業として、このデータならびに、福島県石城郡の各町村に関する戸数割税務資料のマイクロ・データ(約1000人分の所得額情報)、大正3年刊『福島県人名辞典』(名望家に関する個体情報約1000人分)に記載のデータを入力した。福島県行政文書ならびに石城郡の戸数割税務資料は毛筆による手書き資料であり、初期入力は完了したものの、その後の校正作業に予想以上の時間を要した(現在も作業中)。そのため、今年度中にそれを用いたマッチングおよび解析作業にはいることはできなかったが、近い将来作業に取りかかることが可能な状態にはなっているので、作業が進み次第、結果を論文等の形で公表する予定である。
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