1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08630028
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
美添 泰人 青山学院大学, 経済学部, 教授 (80062868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 万寿夫 青山学院大学, 総合研究所, 特別研究員
後藤 文廣 青山学院大学, 経済学部, 教授
本郷 茂 青山学院大学, 経済学部, 教授 (90082867)
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Keywords | 消費関数 / 家計調査 / データリンケージ / ミクロデータ / ブートストラップ |
Research Abstract |
消費行動の時系列的な変化に関しては、マクロデータによる消費関数が比較的安定しているのに対して,ミクロの消費関数は正の定数項を持つ近似的な直線であり,かつ時系列的に上昇してきたと指摘されてきており,ライフサイクル仮説にもとづいた説明がなされている. しかし,戦後間もない時期から現在にいたるまでの家計調査にもとづく所得と支出の関係の時系列的な変化には,これまで指摘されてこなかった安定性が認められる.すなわち,1973年を中心とする数年間と1980年の前後を除けば,実質化された所得と消費の関係は驚くほど安定しており,ほとんど完全な直線的関係を示しているのである.これは従来主張されてきた相対所得仮説を正面から否定するものである.そこで,(1)どのようなメカニズムによって家計調査における消費関数が安定的となっているのか,および,(2)一般的な安定性が説明されたとして,なぜ石油危機の時期にのみ特異な変動を示したのか,という二つの点が問題となる. 第二の点に関しては,期待物価上昇率が消費行動に与える影響を論じた舟岡史雄の論文が理論的な根拠を与えるものと考えられるが,舟岡の用いた手法をそのまま現時点までのデータに適用して,通常の分布ラグモデルによる計量分析を行っても,1978年頃の結論を延長した結果を得ることはできない. 今回の研究では,一部分ミクロデータを利用した家計調査データの分析を通じて以上の問題を解明しようとしたものであり,資産の与える効果を適切に評価することによって矛盾が解決される可能性を示している.関連して,家計調査データにもとづく消費関数の時系列的変化を説明するモデルの構築と実証分析も実施した. もうひとつの成果として,経済分析においても最近話題を集めている計算機集約的な統計的推定法として,ブートストラップ法に関する理論的な研究の実施もあげられる.
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[Publications] 美添泰人: "日本の消費関数の安定性について" 青山経済論集. 48・1. 105-138 (1996)
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[Publications] 美添泰人: "価格の変動について" 統計. 47・7. (1996)
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[Publications] 美添泰人: "複数の標本調査の同時実施について" 青山経済論集. 49・1. 33-65 (1997)
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[Publications] 美添泰人: "全国物価統計調査と価格の変動" 統計. 48・9. 20-24 (1997)
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[Publications] 美添泰人: "季節調整の経済時系列への適用について" 統計. 48・10. 1-7 (1997)
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[Publications] Yoshizoe,Yasuto: "An Approximately Optimal Sampling Design for Commercial Statistical Survey" Contributed Papers Book 1,Bulletin of the International Statistical Institute. 613-614 (1997)
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[Publications] 美添泰人: "家計の消費と資産の構造分析" 青山経済論集. 49・2. 31-60 (1997)
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[Publications] 美添泰人: "電気機械産業における研究開発支出の分析" 青山経済論集. 49・3. 57-76 (1997)
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[Publications] 美添泰人: "産業分類へのクラスター分析の適用" 青山経済論集. 49・4. (1998)
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[Publications] 本郷茂: "経済学部LAN" 青山経済論集. 47・4. 151-159 (1996)
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[Publications] 本郷茂: "産業格付の変動と産業特性" 『ミクロデータに基づく企業活動の多角化・国際化・ソフト化に関する定量分析』文部省科学研究費補助金研究成果報告書. 31-40 (1997)
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[Publications] 後藤文廣: "セミパラメトリック最尤推定量の一致性" 青山経済論集. 48・3. 1-19 (1996)
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[Publications] Goto,Fumihiro: ""Achieving Semiparametric Efficiency Bounds in Left-Censored Duration Models"" Econometrica. 64. 439-442 (1996)
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[Publications] 荒木万寿夫: "「研究開発費に関する実証研究」" 『統計調査の精度』青山学院大学総合研究所経済研究センター研究叢書. 7. 151-168 (1998)