1996 Fiscal Year Annual Research Report
欧州経済・通貨同盟に対するブンデスバンクを中心としたドイツの対応について
Project/Area Number |
08630055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
星野 郁 國學院大學, 経済学部, 助教授 (30199476)
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Keywords | EU経済通貨統合 / ドイツ経済 / 中央銀行 / 金融政策 |
Research Abstract |
今回の研究テーマである、ドイツにおける欧州経済・通貨同盟に対する準備の現状については、助成金によって購入したドイツの経済紙やブンデスバンク(ドイツ連邦銀行)の月報等を通じてこの間逐次フォローしてきている。また、96年11月には別件の文部省国際共同研究助成プロジェクトの一環としてドイツで開催された経済通貨同盟に関するwork shopに参加すると共に、当地でブンデスバンクやドイツの民間銀行、商工会議所を訪ね、経済通貨同盟に対する準備の現状について直接インタビューする機会を得た。それら一連の調査を通じて、ドイツでは中央銀行や金融機関を中心に単一通貨ユーロの導入準備が着々と進展している一方、一般企業の準備は遅れていること、ドイツの99年1月からの経済通貨同盟への参加は確実視されているものの、経済通貨同盟参加の条件のクリアを目指した財政赤字削減策は国内で大きな政治的緊張を生んでおり、ドイツ国民の多くは未だにユーロの導入に懐疑的であることが明らかとなった。このうち将来の欧州中央銀行制度の金融政策のあり方をめぐる諸問題(特にブンデスバンクの金融政策とのかかわり合いについては、別紙掲載のようにworking paperにまとめてある。また、EUの経済通貨統合をめぐる全般的な問題については、現在単著を執筆中であり、一連の調査・研究成果は同書に反映される予定である。97年と98年は99年1月からの経済通貨同盟のスタートにとって鍵となる年であり、引き続きドイツの政治・経済状況について調査研究を継続する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kaoru Hoshino: "The Problems of the Monetary Policy in the Europeun System of Central Banks" TERG Discussion Paper,Tohoku University. 135. 1-18 (1996)
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[Publications] Kaoru Hoshino: "The Problems of the Monetary Policy in the Europeun System of Central Banks-towards forming the operational framework of the monetary policy in the European" Kokugakuin Keizaigaku. 45巻2号. 1-28 (1997)