ドイツ世襲財産とヨーロッパ農村社会

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08630076
• Research Institution: HIROSHIMA UNIVERSITY
• Principal Investigator: 加藤 房雄 広島大学, 経済学部, 教授 (90104869)
• Keywords: ドイツ世襲財産 / ヨーロッパ農村社会 / 東エルベ社会 / 土地制度史 / ベルリン近郊 / 大土地所有 / 都市化 / 市町村合併

Research Abstract

平成9年度の「ドイツ世襲財産とヨーロッパ農村社会」に関する研究経過と成果は、およそ以下のとおりである。(a)図書整備については、とりわけ「ドイツ農村社会と東エルベ土地制度史」に即して、A.ハネマンのベルリン近郊農村史あるいはW.レ-ゼナ-のグルントヘルシャフト論などの古典的文献や新刊書の収集と整理に努めた。(b)図書館・文書館調査は、国会図書館とベルリン・フンボルト大学図書館、そしてベルリン・アメリカ記念図書館などを中心に行った。(c)口頭発表としては、フンボルト大学主催のローター・バ-ル教授退官記念コロッキウムで、日本におけるドイツ近代経済史研究の現状について報告する機会を得た。
こうした研究経過の中で、わたくしは、(1)世襲財産のみならず、より広く(大)土地所有全般に着目する必要性、そして、(2)いわば「農村の問題としての農村の問題」ではなく、それを、都市化なかんずく市町村合併(Eingemeindung)との関連に止目して、農村と都市の具体的な関係に留意することの意義に気づかされた。今後、予定の一連の研究でこうした諸点を追究したい。