Research Abstract |
今年度の研究は,昨年に引き続いて,自動車メーカー,ディーラー,インポーター,業界団体等に対するインタビュー調査および資料収集が中心となった。メーカーとしては,トヨタ自動車,日産自動車,ダイハツ工業,富士重工業,ディーラーとしては,大阪トヨペット,大阪日産等、インポーターとしては,サターンジャパン,メルセデス・ベンツ・ジャパン,業界団体等としては,日本自動車販売協会連合会,自動車振興会,等でインタビューおよび資料調査をおこなった。また国内調査と平行して,中国(97年9月)に訪問し,北京ジ-プ等,数社の調査をおこなった。また米国のJ.D.POWERからワンプライス・セリングおよびディーラー・モ-ルに関する膨大な資料を取り寄せ,文献研究をおこなった。 この結果,従来積み重ねてきたデータを豊富化することができ,日米比較をおこなう上での比較の座標軸を豊富化,立体化するための基礎データ収集に成果をおさめた。中国の自動車流通構造は,1920年代の米国のそれと類似しており,フランチャイズ・システム導入当初の共通的な特質を析出することに成功した。この成果は,中国自動車産業研究会にて報告をおこなう予定である。(98年6月)。また,従来の調査ではおこなえていなかった中古車オ-クション市場,廃車工場,ノックダウン梱包工場についても調査し,系列販売問題との関連を探る作業を始めた。こうした研究の成果の一端を活用して,塩見治人編『国際関係経営史(仮題)』名古屋大学出版会,1998年9月出版予定,の第11章として「システムの日米相互波及-自動車フランチャイズ・システムの生成と再革新」を執筆した。
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