1997 Fiscal Year Annual Research Report
配当政策、新株発行及び自己株式買い戻しに関する研究
Project/Area Number |
08630117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
鵜崎 清貴 大分大学, 経済学部, 助教授 (20232811)
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Keywords | 自己株式買い戻し / 配当政策 / シグナリング仮説 / フリーキャッシュフロー仮説 / エージェンシー仮説 / 株価対策 |
Research Abstract |
わが国では,これまで自己株式買い戻し商法で原則的に禁止されていたため,あまり研究が行われていなかった。しかしながら,最近の10数年間において,アメリカで配当金以外の株主への現金支払いの方法が広く取られるようになってきたため,わが国でも株式買戻しを含む配当政策が如何に株主の富に影響を及ぼしているか考か考察する必要が生じてきた。 平成8年度は,自己株式買戻しの方法を含む配当政策を文献的に整理した。 そこでは,自己株式買戻しの方法には,公開買い付けによる方法,流通市場で買い付ける方法,及び個別的に株主と直接交渉によって買い付ける方法があるが,これら3つのケースを各事例研究整理を行った。 特に本研究では,企業経営者が自己株式買い戻しをアナウンスする事によって自己の企業情報を株主及びその他の利害関係者に知らせると言う自己株式買い戻しをある種のシグナルとして用いるシグナリング仮説を立て検討したが,あまり有効な結果が得られなかった。 それよりも株価対策として株式買い戻しが用いられる可能性が高いと考えられた。 平成9年度はアメリカで最近の10年間で急激に増大している自己株買い戻しの資料を整理し,自己株式取得が株式の過小評価の是正や買い支えに効果があるか否かの実証研究を行なった。さらに前年度で整理した自己株式買い戻しを含む配当政策の実証研究を行った。つまり,昨年度モデル化したシグナリング仮説とフリーキャッシュフロー仮説そしてエージェンシー仮説を検討した。 平成10年度は平成10年3月に株式買い戻しが認められたため,日本における株式買い戻しが株価にどのように影響を及ぼしたかをシグナリング仮説に従い,実証分析する。
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