1997 Fiscal Year Annual Research Report
わが国における原価企画の実態調査およびそのトレンド分析
Project/Area Number |
08630137
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田中 雅康 東京理科大学, 理工学部, 教授 (50084447)
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Keywords | 原価企画 / 原価目標 / VE / コストテーブル / 原価見積 / 原価目標の細分化 |
Research Abstract |
申請者は我が国における先進企業を対象にして原価企画に関する大きな実態調査を今回を含め4回実施した。 第1回は1982〜1983年度(有効回答数217事業所)、第2回は1987〜1988年度(有効回答数298事業所)、第3回は1992〜1993年度(有効回答数270事業所)、そして今回の第4回(有効回答数313事業所)である。 毎回、その都度、調査結果に基づき種々の集計や分析を行い現状分析や課題等を明らかにしてきた。今回の調査ではこれらの分析の他に時系列で調査結果を比較分析することにより、原価企画の動向をレベルがどうなっているかを明らかにした。その内容を要約すると次の通りである。 (1)売価設定について…原価をベースとした売価設定はさほど変化していないが市価をベースとした売価設定が増加傾向にあり、市場で売価が決定される割合が高かったといえる。 (2)原価目標の設定対象について…製造原価はじめ開発設計費、物流費、販売費、使用コストなどライフサイクル・コストを対象とした原価目標の設定割合が増加した。 (3)原価目標の設定方法…控除法よりも加算法の方が多用される傾向にあり実現可能性に重点を置いた原価目標設定になってきた。 (4)原価目標の重要性について…製造原価目標、開発日程目標、性能目標の相対的重要性は時の経過とともに原価目標が相対的に重視されるようになった。 (5)コストテーブルの活用について…コストテーブルは開発設計の早期に活用される割合が増加してきたし、コストテーブルで原価見積される割合も増加してきた。 以上、要約すると原価企画のレベルは14年前から比べ着実に向上し、実質的な管理成果を求めていることがわかった。
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[Publications] 田中雅康, 関谷和之: "原価企画に関する日米比較" 産業経理. 56-1. 23-34 (1996)
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[Publications] 田中・小柴・藤田・佐藤: "日本の先進企業における原価企画の現状と動向の分析(1)" 企業会計. 49-7. 89-96 (1997)
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[Publications] 田中・小柴・藤田・佐藤: "日本の先進企業における原価企画の現状と動向の分析(2)" 企業会計. 49-8. 88-96 (1997)
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[Publications] 田中・小柴・藤田・佐藤: "日本の先進企業における原価企画の現状と動向の分析(3)" 企業会計. 49-9. 152-159 (1997)
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[Publications] 田中・小柴・藤田・佐藤: "日本の先進企業における原価企画の現状と動向の分析(4)" 企業会計. 49-10. 89-96 (1997)