1996 Fiscal Year Annual Research Report
p-進Eiserstein cohomology類の研究
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08640062
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
太田 雅己 東海大学, 理学部, 教授 (40025490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 守正 東海大学, 理学部, 助教授 (00188583)
永瀬 輝男 東海大学, 理学部, 教授 (90164425)
田中 実 東海大学, 理学部, 教授 (10112773)
草場 公邦 東海大学, 理学部, 教授 (20087076)
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Keywords | 保型形式 / モジュラー曲線 / p-進エタール・コホモロジー / p-進ホッジ構造 / 岩澤主予想 |
Research Abstract |
昨年度までの研究を継続し、以下のように発展させた:まず、太田は1993年の論文で一般の代数曲線の塔に対して、3種類の「大きな」p-進エタール・コホモロジー群:通常のコホモロジー群、パラボリック・コホモロジー群、コンパクトな台をもつコホモロジー群(以下各々H^1、H^1_p、H^1_cと略記)を導入した。また1995年の論文では楕円モジュラー曲線の塔のH^1_pが良いp-進ホッジ構造をもつことが示された。 今年度の目標は後者の結果をH^1に拡張し、それを円分体の整数論に応用することであった。得られた成果は次のものである。 ・Γ_1(Np^r)(γ【greater than or equal】1)に関する(開)モジュラー曲線の塔のH^1は古典的なホッジ・フィルトレーションのP-進的類似物を持つ。特にH^1の(通常部分の)ある商はA-進モジュラー型式の空間と標準的に同型となる.これが1995年の論文の主結果の拡調を与える。 ・このコホモロジー理論にHarder-Pinkの方法を適用することにより、Q(μ_p∞)の十分大きな不分岐アーベルp-拡大を具体的に構成でき、この場合の岩澤主予想(Mazur-Wilesの定理)の簡明な別証明が得られる。 かくして当初の研究目標はほぼ完全に達成できた。これらの結果は"Ordinary p-adic etale cohomology groups attached to towers of elliptic modular curves"(プレプリント)にまとめられ、現在投稿中である。残された問題としては:1)上記p-進ホッジ理論ではある固有空間を除外して議論を進めている。これらについても同様の結果が成り立つことが期待される;2)一般のアーベル体の岩澤主予想へのその応用が見込まれる、の二点がある。来年度以降の研究課題としたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Shiohama,M.Tanaka: "Cut loci and distance sphones on Δlexandnov surfaces." Seminaives & congres,Collection SMF.531-560 (1996)
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[Publications] M.Tsuchiya: "On double bound graphs whose complements are also double bound graphs." 東海大学理学部紀要. 31. 25-29 (1996)
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[Publications] M.Tsuchiya: "On unigueness of manifold posets and locally Cohen-Macaulay posets." Southeast Asian Bulletin of Mathematics.20. 13-17 (1996)