1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640145
|
Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
竹内 博 四国大学, 経営情報学部, 助教授 (20197271)
|
Keywords | P-調和写像 / P-ラプラシアン |
Research Abstract |
2つのリーマン多様体M,N間の写像u:M→Nがp-調和写像であるとはp-エネルギE_p(u)=∫_M|du|^pdxの臨界点として定義される。ここでpは1<p<∞の実数を表す。特にp=2の場合は普通の調和写像と一致する。pが多様体Mの次元に等しいときp-エネルギはMの計量に関し共計不変量になる。特にdimM=p=2の場合Sacks-Uhlenbeckは調和写像のBubblingの現象を発見した[1981]。研究実績報告者は今年度にこのp-調和写像版を河合氏(佐賀大学)、中内氏(山口大学)との共同研究で行った。Mをn次元球面S^n,Nを単連結コンパクトリーマン多様体としたとき、S^nからNへのC^1-写像uは[u]=[u^<(1)>]+・・・+[u^<(k)>]かつinf_<w∈[u]>E_n(w)=E_n(u^<(1)>)+・・・+E_n(u^<(k)>)と書ける。ここで各u^<(i)>はそのホモトピークラス[u^<(i)>]でn-エネルギは最小をとる。 Nが特に実数の時p-調和写像はp-調和関数になる。リーマン多様体内の領域Ω上の関数uに対しp-ラプラシアン△_pu=div(|∇u|^<p-2>∇u)を定義して、次のディリクレ問題を考える。△_pu+λ|u|^<p-2>u=0 in Ω,境界条件u=0 on ∂Ω。このときp-ラプラシアンの第1固有値λ_<1,p>(Ω)は非自明解をもつ最小のλと定義する。p-ラプラシアンは関数に作用する非線形作用素であるが普通のラプラシアンと同様にその第1固有値はレイリー商で特徴付けができる。ラプラシアンの第1個有値のリーマン幾何学的量による評価はFaber-Krahn,Cheeger[1970],Cheng[1975]により行われている。報告者はp-ラプラシアンに対してもアナロジーにより同様のタイプの評価を得た。
|