1996 Fiscal Year Annual Research Report
非線形発展方程式系における概周期的アトラクターの構造解析
Project/Area Number |
08640221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
内藤 幸一郎 熊本大学, 工学部, 教授 (10164104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱田 俊明 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60257243)
横山 隆久 熊本大学, 工学部, 講師 (20240864)
角田 法也 熊本大学, 工学部, 講師 (80185884)
税所 康正 熊本大学, 工学部, 助教授 (70195973)
大島 洋一 熊本大学, 工学部, 教授 (20040404)
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Keywords | 非線形発展方程式 / 概周期 / アトラクター / フラクタル次元 / ディオファンタス近似 |
Research Abstract |
本年度においては、研究情報交流によって収集された資料を基礎とする理論解析を主として行った。概周期的アトラクターがカオス状態へ移行する可能性を判定するためには、その次元を下から評価することが重要な課題の一つである。本年度の数学会で発表された代表者による論文結果は、ディオファンタス多重近似を利用して、概周期軌道のフラクタル次元の下からの評価を与えたものである。概周期軌道の次元には、確率論の分野で再帰性と呼ばれる性質が深く関わっていることが知られているが、これに関しては分担者大島による基礎的な結果が得られている。また、次元解析においては、相関次元とよばれる評価が知られているが、分担者横山によって相関性に関わる重要な結果が得られた。また、概周期軌道の次元を理論的に評価する際に、概周期の値を構成するアルゴリズムも代表者の結果として得られているが、このとき、周波数として与えられる代数的無理数を有理数で近似するアルゴリズム理論が重要な役割を果たすことが導かれた。この理論解析については、本研究の来年度の重要課題の一つであるが、分担者角田等により関連分野の専門書が得られているため今後の研究の発展が期待される。なお、個々のモデルに関わる具体的な方程式系のアトラクターに関連する解析結果に対しては、別表にあるように代表者や分担者税所、菱田(投稿中)によって得られている。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Naito,Koichiro: "Fractal dimensions of almost periodic attractors." Ergodic Theory and Dynamical Systems. 16・4. 791-803 (1996)
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[Publications] Naito,Koichiro: "Dimensions of almost periodic trajectories for nonlinear evolution equations" Yokohama Math.J.に掲載予定.
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[Publications] 内藤幸一郎: "ディオファンタス多重近似による準周期軌道の次元評価" 日本数学会1996年度秋季総合分科会.
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[Publications] Y.Oshima and K.Th.Sturm: "On the conservativeness of a space-time process" Probability Theory and Mathematical Statistics Proc.7th Japan-Russia Symp.403-413 (1996)
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[Publications] 大島洋一: "時間的に一様でないマルコフ過程の再帰性について" 科研費シンポジウム 東北大学. (1996)
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[Publications] Yokoyama,Takahisa: "Extended growth curve models with random-effect covariance structures" Commun.Statist.-Theory Meth.25・3. 571-584 (1996)
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[Publications] Yokoyama,Takahisa: "Asymptotic non-null distributions of the LR criteria in a parallel profile model with random effects" Hiroshima Math.J.26・2. 223-231 (1996)
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[Publications] 税所康正: "移動する領域に対する反射壁方程式を近似するgradient typeの係数を持つ方程式について" 日本数学会九州支部例会 鹿児島大学理学部. (1996)
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[Publications] 角田法也,田中一之他: "数学基礎論講義" 日本評論社, 210 (1997)