1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640285
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
渡辺 雅二 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (30243546)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 徹 岡山大学, 環境理工学部, 講師 (20260664)
梶原 毅 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (50169447)
石川 洋文 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (00108101)
|
Keywords | 概日リズム / 非線形振動子 / 常微分方程式系のダイナミクス / 周期解 / 同調 / 分岐 |
Research Abstract |
本研究は、生体独自の機能により発生すると考えられる周期約24時間の概日リズムに関する考察から提起される数学的問題を解析することを目的とする。特に、細胞内の生化学反応が概日リズムの一つの基本的要因であると想定し、生化学反応に観察されるような速い振動と概日リズムのような比較的遅い振動がどのように関係するかという問題を数学モデルを用いて得られる結果をもとに検討することを目標とする。本年度は、非線形振動子を別のシステムと結合させることによって得られるダイナミクスの解析を行った。非線形振動子が従うシステムと外部環境の状態が従うシステムを関数によって結合させることによって常微分方程式系が得られる。この常微分方程式系のダイナミクスの解析を、あるパラメターの極限で行い、周期解が存在し得ることを示した。更に、特定の非線形振動子と特定の結合状態を表す関数に対しては、計算機を用いて解析の結果を表示することが可能であることも示した。またある特定の問題では、周期解の周期があるパラメターに対してどのように変化するかについて数値解析を行った。ある特定の結合の状態を表す関数に対しては、周期解の周期と振動子の周期との関係を示す結果が得られる。このような結果が、どのような結合の状態を表す関数に対して一般化されるかという問題について検討することも、今後の本研究の課題の一つとする。更に、複数の振動子と外部環境を結合させることによって得られるシステムをモデルとして、同調、分岐等の解析とともに、単一振動子に対して得られた結果を拡張することも目標とする。更に、その結果を概日リズムのメカニズムの研究へ応用するための検討を行うことも目標とする。
|
Research Products
(1 results)