1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640304
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田村 要造 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (50171905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲田 均 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (40118980)
伊藤 雄二 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90112987)
鈴木 由紀 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (30286645)
前島 信 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051846)
田中 洋 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70011468)
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Keywords | 大偏差原理 / ラプラス近似 / 非対称マルコフ過程 |
Research Abstract |
本研究の目的の一つはコンパクト空間上の一般の非対称マルコフ過程の大偏差原理に対するラプラス近似の精密化を求めるものであった。自由エネルギーのヘシアンが退化する場合も含めた一般論としてBolthausen等との共同研究で次のような結果を得た(プレプリント)。Eをコンパクト距離空間、M^+_1をその上の確率測度全体とする。Ωを道の空間D([0,∞);E)、{P_x}をその上のマルコフ過程で強いエルゴード正を持つものとする。T>0に対してL_Tを経験分布とするとL_Tはあるrate関数Iで大偏差原理を満たす。UをM^+_1上の有界で"滑らか"な関数とする。Z_<x,T>=P_x[exp(TU(L_L))]のT→∞での漸近挙動の主要項は一般論より自由エネルギーF=I-Uの最小値f_0から決まり、そこでのヘシアンが非退化の時には次の定数項係数を既に決定したが、更にヘシアンが退化する場合には、ヘシアンが退化している確率分布とその方向を含むようなM^+_1の有限次元の部分多様体Nが存在することが示せ、これと関数Uがパラメータξに滑らかに依存しているときの漸近挙動の一様性を示すことで、N上のある非負有界連続関数f,g_xと、N上のリーマン体積n_0によってZ_x,_T〜e^<-f0T>(T/(2π))^<(dimN)/2>∫_Ng_x(ξ)e^<-f(ξ)T>n_0(dξ)と表せることが示せた。 1次元のランダム媒質の問題に関しては、田中教授が河津氏との共同研究等により次の結果を得た。Pを媒質空間上のWiener速度、P_wをポテンシャルw中の正のドリフトκ/4を持つブラウン運動とし、P(dwdw)=P(dw)P_w(dω)とおく。T_xをxへの到達時刻とする。0<κ<1の場合にT_xとω(t)のPの下での極限分布をκより定まる片側安定分布を用いて決定した。またκ【+-】1の場合にはT_xとω(t)のPの下での大数の法則が示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Kawazu: "A diffusion process in a Brownian environment with drift." J.Math.Soc.Japan. (発表予定).
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[Publications] H.Tanaka: "Environment-wise central limit theorem for a diffusion in a Brownian environment with large drift." Ito's Stoch.Calcules Prol.Th.(N.Ikada et al.eds.). 373-384 (1996)
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[Publications] M.Maejima: "Limit theorems related to a class of operator-self-similar processes." Nagoya Math.J.142. 161-181 (1996)
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[Publications] Y.Suzuki: "Construction of Markov processes of certain spin system on Z." Kodai Math.J.19. 234-258 (1996)