1996 Fiscal Year Annual Research Report
非線形境界値問題に対する領域分割・領域接合法の研究
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08640308
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
藤田 宏 明治大学, 理工学部, 教授 (80011427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原田 秀夫 千葉大学, 工学部, 教授 (90010793)
桂田 祐史 明治大学, 理工学部, 講師 (80224484)
古橋 朗蔵 明治大学, 理工学部, 教授 (40061973)
今野 礼二 明治大学, 理工学部, 教授 (20061921)
森本 浩子 明治大学, 理工学部, 教授 (50061974)
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Keywords | 非線形 / 境界値問題 / 領域分割法 / ナビエ・ストークス方程式 / 一般流速条件 / 摩擦型境界条件 |
Research Abstract |
単年度である本研究において得られた結果の概要は次の通りである。 1.領域分割法における収束の速さと領域の形状領域分割法における典型的な反復法である、いわゆる、D-Niteration やDD-NN iteration について、分割領域の相互的な幾何学的な関係が収束の速さ、とくに、最速な収束の速さにどのように影響するかを解析的ならびに数値解析的に研究し、国際的に評価される結果が得られた。解析の方法は代表者藤田が1995年はじめに提出した作用素論的な方法の自然な発展であり、考察する反復法や幾何学的条件を一般化した点で進歩があった。なお、そこで基本的な役割を果たすスチェクロフ・ポアンカレ-作用素の1/2べきの定義城を正確に特徴づける改良・修正が行われた。 2.一般流速条件のもとでのナビエ・ストークス方程式の境界値問題ナビエ・ストークス方程式に関する懸案の一つに、"一般流速条件"のもとでの定常解の存在がある。これに対して、かなりな注目に値する二つの結果が得られた。一つは代表者と分担者森本浩子教授の共同研究によるものであり、複数の境界成分における境界条件が調和関数の勾配の摂動として与えられる場合の肯定的な結果である。方法論としてもリ-ス・シャウダーの定理と縮小写像の原理を組み合わせて用いる点で興味が深い。一方、第二の結果は直線に関して対称な2次元領域領城についてのC.J.Amick(1984)の定理の構成的な証明(オリジナルは背理法)に成功したことである。証明の鍵は代表者の発見した virtual drainの方法とよばれる工夫である。 3.摩擦型の境界条件のもとでの流れの定常解 摩擦型の滑りの境界条件については、非線形半群の理論を出発点として発展方程式理論にそう展開を追究したが完成しなかった。摩擦型の透過・漏洩型境界条件については物理的複合系の数学モデルとして興味ある結果が得られ1996年10月にAnacapriで開かれたJapan-Italyの共同研究集会で報告した。
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[Publications] 藤田 宏: "領域分割法の収束に関する解析的ならびに数値的研究,I" 明治大学技研紀要 1997 第35冊に刊行予定.
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[Publications] H.Fujita: "Stability analysis of Navier-Stokes flows in annuli." J.Math.Methods in Appl.Sci.to appear in 1997.
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[Publications] 斉藤宣一: "領域分割法における収束の速さの作用素論および数値実験による考察" 数理解析研究所講究録 1997 「科学技術における数値計算の理論と応用II」,刊行予定.
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[Publications] H.Fujita: "On the rate of convergence of iterations in the domain-decomposition method." Proc.of the third Japan-China Seminar on Numer.Math.,Dalian,PRC,1996.to appear in 1997.
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[Publications] H.Morimoto: "Perturbation of the Navier-Stokes flow in annular domain with the non-vanishing outflow condition," J.Math.Sciences,Univ.Tokyo,. 3. 72-82 (1996)
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[Publications] H.Fujita: "A remark on the existence of the Navier-Stokes flow with non-vanishing outflow condition." Proc.of 4th MSJ Intern.Res.Institute on Nonlinear Waves,Sapporo,Japan. 1. 50-58 (1996)