1997 Fiscal Year Annual Research Report
リニアコライダーにおける標準模型を超える物理の検証
Project/Area Number |
08640343
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
日笠 健一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20208739)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隅野 行成 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80260412)
|
Keywords | 超対称性 / 電子陽電子衝突 / QCD / トップクォーク / 自動計算 / リニアコライダー / 対称性の破れ / ヘリシティ振幅 |
Research Abstract |
1.超対称理論に関して,まずスカラーレプトンの質量の違いがチャージノの3体崩壊の分岐比に与える影響を調べた。特にチャージノにゲージノの成分が主要である場合は,スカラー電子,スカラータウが数百GeVという大きな質量を持っていても分岐比を大きく変えることが見いだされた。タウへの崩壊モードが数倍になることもある。この測定がなされれば,超対称性の破れの機構に対する手がかりが得られるであろう。 最近注目を浴びているゲージ相互作用によって超対称性を破る機構では,超対称粒子は最終的にグラヴィティーノに崩壊する。スピン3/2を持つこの粒子の関与する過程のヘリシティ振幅を計算する手法を球ベクトルを用いて開発した。この方法を用いてグラヴィティーノの関与する崩壊過程の計算を行った。さらに散乱過程の計算に適用する予定である。 超対称標準模型において,電子陽電子衝突による超対称粒子生成反応のうち重要なもの(終状態2体および3体)を計算するプログラムを自動生成するコードを開発した。 4.電子陽電子衝突によるトップ対生成において,終状態のレプトンのエネルギー・角分布に対する,グル-オン交換による終状態相互作用の効果を調べた。これによって分布が10%程度変化することがわかった。さらに,トップ対生成に関連するQCDポテンシャルに対する2次補正の効果を計算し,くりこみ群を運動量空間で行った場合と座標空間の場合とで大きな違いがあることを見いだした。これにより,断面積の誤差は現在の知見の範囲内では6%よりよくならないことがわかった。 5.強い相互作用をするヒッグスセクターに対して開発したN/D法をパイオン・パイオン散乱に適用し,シグマ中間子の存在を示唆する結果を得た。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] J.Fujimoto: "SUSY23 V2.0 : An event generator for supersymmetric processes at e^+e^- colliders" Computer Physics Communications. (印刷中). (1998)
-
[Publications] K.Hikasa: "Physics at the Energy Frontier" Proceedings of Pacific Particle Physics Phenomerology Workshop. (印刷中). (1998)
-
[Publications] Y.Sumino: "Top quark pair production and decay near threshold in e^+e^- collisions" Acta Physica Polonica. B28. 2461-2478 (1997)