1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640344
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
遠藤 龍介 山形大学, 理学部, 助教授 (90183756)
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Keywords | ゲージオン形式 / BRST対称性 / 超重力 / Rarita-Schwinger場 / 反対称テンソルゲージ場 / ゲージ不変なヒルベルト空間 / ダイポールゴースト / Froissart模型 |
Research Abstract |
BRST対称なゲージオン形式を超重力理論に適用するため,以下の研究を行った. 1. 超重力に現れるグラヴィティーノ場はスピン3/2のRarita-Schwingerゲージ場とみなすことができる.これまでの研究でこのゲージ場に対するBRST対称なゲージオン形式を構築することができた.これは,電磁場におけるタイプIとIIの理論形式に相当するものである. 電磁場ではさらに,複数組のゲージオン場を導入した拡張されたタイプIという理論形式が知られている.スピン3/2ゲージ場についても,このタイプに相当する理論を構築することができた. また,上のすべてのタイプの理論形式において,ゲージ不変な物理的ヒルベルト空間を定義することができた.そして,このヒルベルト空間は,任意値のゲージパラメータをもつ通常の理論形式の物理的ヒルベルト空間と同型であるこを示した.これにより,例えば,S行列のゲージ不変性は自明のものとなった. 2. 超重力には反対称テンソルのゲージ場が現れる.このような場の量子論をゲージオン形式で扱う場合に注意すべきことは,反対称テンソルゲージ場に対するゴーストもまたゲージ場であるため,ゴーストのゲージオン場も考え得ること,ゲージオン場もまたゲージ場となるため,ゲージオン場に対してもゲージ固定が必要であり,それに伴うゴーストも必要となること,さらにはこのゲージ固定に伴うゲージオン場(ゲージオンに対するゲージオン)も考慮の対象になることである. 二階反対称テンソル場のゲージオン部分を抽出すると,質量ゼロののFroissart模型のベクトル場版が現れる.この理論のBRST量子化を試み,ゲージオンのゴースト,ゲージオンに対するゲージオンの性質を明らかにした.
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