1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640350
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
青木 慎也 筑波大学, 物理学系, 助教授 (30192454)
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Keywords | 格子QCD / 有限温度相転移 / 格子QCDの相構造 / パリティ・フレーバー対称性の自然的破れ / ウィルソン・フェルミオン作用 |
Research Abstract |
格子QCDの数値計算ではウィルソン・フェルミオンと呼ばれる定式化を用いるが、この方法はカイラル対称性をあらわに壊してしまうために相構造そのものがよく理解されていなかった。代表研究者は以前の研究で、ウィルソン・フェルミオンの格子QCDに存在するゼロ質量のパイ中間子をパリティ・フレーバー対称性を破る相転移に付随するゼロ・モードを解釈できることを発見し、クォークのフレーバー数が2の場合の有限温度の相構造を明らかにした。本研究ではこれを発展させ、有限温度相転移の研究をおこなった。 1.フレーバー数が4の場合の有限温度の相構造と調べ、2フレーバーの場合と類似の構造をしていることを発見した。とくに、パイ中間子の質量がゼロになる相転移線が有限の結合定数のところでカスプ構造をなすこと、また、そのカスプ構造をかすめるように有限温度の相転移線が走っていること、を示した。また、有限温度相転移が予想とは違って2次転移らしいことも明らかにした。 2.2フレーバー、4フレーバーの両者の場合に、連続極限への近づき方を調べ、カスプ構造の変化が小さいことを見いだした。 3.3フレーバーの場合にもカスプ構造を確認し、また、いままで強い1次転移だと思われていたものが、実際はそうではなく2次転移の可能性もあることを指摘した。 4.パリティ・フレーバー対称性の破れのオーダーパラメタに対する外場を加えたシミュレーションを2フレーバーの場合におこなって、予想通りに対称性の破れが起こっていることを確認した。 5.改良された格子作用の場合にも、同様なカスプ構造の存在を確認した。
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[Publications] Sinya AOKI: "Finite-temperature phuse structure of lattice QCD with the Wilson quark action for two and four flavors" Nuclear Physic B(Proc.Suppl.). 53. 438-441 (1997)
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[Publications] Sinya AOKI: "Chiral zero mode on the domain-wall model in 4+1 dimensions" Physical Review D. 56-2. 1121-1130 (1997)
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[Publications] Sinya AOKI: "Phase structure of Lattice QCD with Wilson fermion at Finite temperature" Nuclear Physics B(Proc.Suppl.). (印刷中).