1998 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
08640369
|
|---|
| Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
|---|
Principal Investigator |
巽 敏隆 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40155099)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高塚 龍之 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (50043427)
|
|---|
| Keywords | 中性子星 / 状態方程式 / 原始中性子星 / 相転移 / K中間子凝縮 / π中間子凝縮 / ハイペロン超流動 / 遅延崩壊 |
|---|
| Research Abstract |
1. 非線型シグマ模型での量子的、熱的ゆらぎの効果
K中間子凝縮相での量子的、熱的ゆらぎの効果について、我々が提出した枠組みを用いて研究した。特にK中間子と核子の自由度を対等に扱うことにより、これまで研究されていなかった核子の動的自由度の役割を明らかにすることができた。零温度での量子的ゆらぎを調べると、K中間子の場合とは異なり、核子の寄与はある程度大きいことがわかった。今後熱的寄与について研究し、状態方程式を導出したい。
2. K中間子凝縮を伴う原始中性子星の平衡形状と遅延崩壊の可能性
既に公表している核子の動的自由度を凍結した"重いバリオン"極限での状態方程式を用いて、原始中性子星の性質を研究した。この環境下では等エントロピー下、またはニュウトリノ捕捉下での状態方程式が必要になるので、これまで得ているニュウトリノを含まない等温条件下での状態方程式を拡張し、TOV方程式を解くことによって原始中性子星の平衡形状を得た。さらにこの結果から原始中性子星での遅延崩壊の可能性を議論した。
3. 中性子星物質、ハイペロン物質中でのΛ粒子対超流動
高密度核物質ではハイペロンの混在が注目を集めているが、ここではΛ粒子の混在によるΛ対の超流動を議論した。核子対の研究を拡張し、Λ粒子間の現実的相互作用を用いて超流動相の存在域、エネルギーギャップの大きさを計算した。また、他の仕事との関連を議論した。4. 原子核、中性子星でのπ中間子凝縮の再考最近の原子核におけるガモフ-テラー巨大共鳴の実験結果は核媒質中のスピン-アイソスピンモード間の短距離相互作用に対して新たな情報を与えている。一方長距離部はπ中間子との結合が支配的であり、核物理の長年の問題であるπ中間子凝縮と密接な関係がある。実験結果から導かれる情報をもちいると、π中間子凝縮の臨界密度は核密度に近いことがわかった。
|
-
[Publications] T.Tatsumi: "Kaon condensation at finite temperature" Phys.Lett.B441. 9-16 (1998)
-
[Publications] T.Tatsumi: "Thermal and quantum fluctuations in the kaon condensed phase" Nucl.Phys.A(in press). (1999)
-
[Publications] M.Yasuhira: "EOS for Kaou Condensed matter at Finite Temperature" Proc.of 1998 YITP-Workshop on QCD and Hadron Physics(World Scientific). in press. (1999)
-
[Publications] T.Tatsumi: "Protoneutron Stars with Kaon Condensate" Proc.of Int.Sympo.on “Physics of Hadrons and Nuclei"(Nucl.Phys.A). in press. (1999)
-
[Publications] T.Suzuki: "The Landau-Migdal Parameters,g'_<NN> and g'_<NΔ> and Pion Condensations" Proc.of RCNP Int.Mini Sympo.on “Nuclear Responses and medium effects"(Universal Academy Press). in press. (1999)
-
[Publications] T.Takatsuka: "A-Superfluidity in Neutron Star Cores" Proc.of Int.Sympo.on “Physics of Hadrons and Nuclei"(Nucl.Phys.A). in press. (1999)
