1996 Fiscal Year Annual Research Report
GeV光子ビームによる核子内でのクォーク運動の解明 電子タギング装置の研究
Project/Area Number |
08640373
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 貴志 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (80212091)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高久 圭二 大阪大学, 核物理研究センター, 助手 (30263338)
藤原 守 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (00030031)
|
Keywords | 後方コンプトン散乱 / 光子ビーム / 電子タギング / SSD |
Research Abstract |
SPring8での後方コンプトン散乱による光子ビームは偏極ビームとしては世界最高エネルギーで且つ高輝度という点で極めてユニークであり、世界をリ-ドする多くの新しい物理の展開が期待できる。 光子ビームのエネルギーは散乱電子のエネルギーを偏向電磁石での偏向角度を測定することにより同定されるが、実験に必要なエネルギー精度(30MeV)を達成するため偏向角度を測定する位置検出器の分解能は1mm以下が要求される。 シリコン・ストリップ検出器(SSD)の位置分解能は十分小さく、また近年のVLSI技術の脅威的な進歩により複数(100)のチャンネルを1本のラインでコンパクトに且つ安価に読み出すことが可能であるが、読み出し系の時定数が〜1マイクロ秒と遅いので平均0.1マイクロ秒毎にタギング面を通過する散乱電子を捉えきれない。 そこで我々はタギング面を小部分に分割し、それぞれをSSDとプラスチックシンチレーターを組み合わせたハイブリッド検出器で覆うことにより高位置分解能と高速性を両立させるというアイデアを提案した。 本研究では、まず128チャンネルのSSD検出器のプロトタイプを試作し赤外線レーザーを照射し読みだしのテストを行なった。予想どおり非常にノイズレベルは低く、エネルギーの測定による高エネルギー電子の通過事象とX線によるバックグラウンドの分離が可能であることが確かめられた。 また,プラスチックシンチレーターの光の取りだしのためにプリズムを使ったライトガイドを試作し、その光収集効率を測定した。プリズムを使って90度折り曲げたライトガイドの収集効率は直線のものの66%で十分実用にたえることがわかった。
|