1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640375
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松田 卓也 神戸大学, 理学部, 教授 (20026206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 義次 神戸大学, 理学部, 助教授 (30172282)
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Keywords | 降着円盤 / 星風降着流 / アクリーションディスク / 流体力学的不安定性 / 渦状衝撃波 / スパイラルショック / 近接連星系 / SPH |
Research Abstract |
降着円盤に生じる渦状衝撃波による角運動量輸送の研究に関して、研究代表者(松田)は、学振の特別研究員として神戸大学に滞在したベルギーのH.Boffinおよび神戸大・大学院生の湯川とともに、約6万体のSPH粒子を用いて3次元の数値シミュレーションを行った。それにより、比熱比が高い場合にも降着円盤が形成されることおよび、3次元の降着円盤にも2次元の場合と同様に、渦状の衝撃波が存在することを定性的に示すことができた。 また、神戸大・大学院生の宮脇とともに、高精度の有限体積法を用いて2次元の数値シミュレーションを行なった。ベクトルコンピューター及びパラレルコンピューターを用いる際の簡便性を考慮して、デカルト座標を用いて計算を行った。その結果、ラグラジアン点を通して、伴星より流れでる降着流と主星の周りを回転する降着円盤との相互作用によって生じる流体力学的不安定を見出すことができた。また、比熱比が小さい時ほど衝撃波のピッチ角が鋭くなるというH.C.Spruitの主張の正当性を確かめることができた。 星風降着における流体不安定の研究に関しては、ドイツのU.Anzer、G.Boerner、川崎重工の嶋とともに、有限体積法を用いて2次元数値シミュレーションを行った。スイスのZarinelliらによる批判を受け入れて、コンパクト天体まわりで計算解像度が高くなるような極座標を用いて計算を行った。等温流の場合の計算では、Zarinelliらの主張に反して、降着流が非常に不安定になることを再確認することができた。
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[Publications] N.Pogorelov and T.Matsuda: "Application of numerical methods to modeling the stellar wind and interstellar medium interaction." CDF Review,in press. (1997)
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[Publications] N.Tajima and Y.Nakagawa: "Evolution and Dynamical Stability of the Proto-Giant-Planet Envelope." Icarus,in press.(1997)
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[Publications] 松田卓也: "宇宙流体" ながれ. 15. 274-277 (1996)
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[Publications] 松田卓也: "SPH-法 -Smoothed Particle Hydrodynamics-" ながれ. 15. 454-456 (1996)
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[Publications] 松田卓也・二間瀬敏史: "なっとくする相対性理論" 講談社, 222 (1996)
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[Publications] 松田卓也: "正負のユートピア" 岩波書店, 209 (1996)