1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640388
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
近 匡 成蹊大学, 工学部, 助手 (90215442)
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Keywords | 高エネルギー実験 / 超対称性 |
Research Abstract |
1.LEP2実験における様々な超対称性粒子探索を包括的に行う為に有用な事象生成プログラム「SUSY23」の新しいバ-ジョン(Version2)を,高エネルギー加速器研究機構現象論グループ(通称 南建屋グループ)と共同で開発を行った。この新しいプログラムは,23種類(前バ-ジョンは21種類)の超対称性粒子生成について断面積の計算および事象シュミレーションを行うことができる。特に他の同種プログラムと異なる重要な特徴は,散乱素過程のみならず不安定粒子の崩壊過程の計算段階で,多体終状態をもつ生成過程の計算が可能であること,また崩壊する粒子のスピンの情報が生成事象に反映されること(スピン相関効果)が可能である点である。またこのプログラムに関する論文を執筆し,投稿した雑誌にすでに掲載が決定している。今後はこのプログラムの基礎になっている自動振幅計算プログラム「GRACE」を応用し,様々な超対称性粒子生成過程の計算に取り組む予定である。 2.平成9年2月に報告された,HERAにおける高い運動量移行をもつ中性カレント深非弾性散乱過程における事象異常に対して,2種類のストップが生成すると考えるとこれが自然に説明出来ることを具体的に示し論文を発表した。さらにその後夏に報告された荷電カレント過程での事象増加傾向も,同じ模型でストップの別の崩壊モードを考えることによって説明可能であることを指摘した。なおこれらの研究成果は米国で行われた国際会議「SUSY97」や日本物理学会の特別講演において発表する機会を得ることが出来た。今後はこのシナリオのもう一つの予言である,大きな横運動量をもつレプトン生成事象について詳しい解析を行っていきたい。 3.これ以外に,超対称性粒子特にストップがヒッグス粒子の崩壊過程でいかに重要な役割を果たすかについて共同での解析を行い,論文として発表した。
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[Publications] A.Bartl: "QCD Corrections to Higgs Boson Decays into Squarks in the Minimal Supersymmetric Standard Model." Physics Letters B. 402. 303-313 (1997)
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[Publications] T.Kon: "Stop in R-Parity Breaking Model for High Q^2 Events at HERA" Physics Letters B. 409. 265-270 (1997)
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[Publications] T.Kon: "Possible Excess in Charged Current Events with High Q^2 at HERA from Stop and Sbottom Production" Modern Physics Letters A. 12. 3143-3152 (1997)
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[Publications] J.Fujimoto: "SUSY23 V2.0 : An Event Generator for Supersymmetric Processes at e^+e^- Colliders" Computer Physics Communication. (1998)
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[Publications] T.Kon: "Production Process of Third Generation Squarks in an R-parity Breaking Model at HERA and LEP2" Nuclear Physics B (Proceeding Supplements). 62A-C. 216-223 (1998)
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[Publications] H.Tanaka: "The GRACE System for the Minimal Supersymmetric Standard Model" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A. 389. 295-298 (1997)