1996 Fiscal Year Annual Research Report
「非摂動論的場の理論による核物質の動的秩序形成の解明」
Project/Area Number |
08640402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University Occupational and Environmental Health, School of Nursing and Medical Technology |
Principal Investigator |
中野 正博 産業医科大学医療技術短期大学, 助教授 (70141744)
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Keywords | 相対論的場の理論 / 核物質 / 高次相関 / リング ダイヤグラム / 媒質効果 / NSD Method / くりこみ / cutoff field theory |
Research Abstract |
平成8年度に計画していた研究課題については、以下のような進展があった。 (1)有限密度系でのくりこみについては、くりこみ群の考えに基づいたcutoff field theoryの形式で、真空の量子論的効果であるfinite項の一般的導出方法を導くことができた。この方法により、真空の効果も含んだより一般的議論ができるようになった。 (2)より一般的ダイヤグラムを含むNSD Methodにより、他の近似的方法の評価をすることができた。結果は、驚いたことに0次近似のHartree(平均場)近似が良く、それを改良したはずのHartree-Fockの方が近似が悪いことがわかった。 (3)Dynamicalなメソンの媒質効果はリング・ダイヤグラムを無限次まで含み、それによって新しい引力的効果が生じていることが明らかになった。このため、結合定数も小さくて良いことがわかった。 (4)核物の圧縮性に関する高次微分の定係数を相対論的方法によって、求めることができた。 (5)原子核のDeep hole statesを(p,2p)反応などで求め、そこから原子核のimaginary potentialを実験的に導いた。更に、このimaginary potentialをNSD Methodにより理論的に説明することを試みた。 (6)核物質中における中間子の質量と結合定数が、核物質の密度によってどのように変化していくかは、カイラル対称性の回復問題と関連しており、現在大問題の一つである。我々は中間子質量の密度依存を決定するのに粒子-反粒子励起のみが重要であることを見出し、この発散項からの有限の寄与が密度によらず小さいことを示した。これは従来の理論の結果とは大いに違ったものであり、どちらが正しいか実験的に判定されるべきであると主張している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 中野 正博: "Review of the recent development of the relatinistie meny-body theory" 原子核研究. 41・1. 61-70 (1996)
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[Publications] M.Nakano et al.: "(p,d)reaction on ^<62>N;at 65 MeV" physical Review c. 53・4. 1792-1803 (1996)
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[Publications] M.Nakano et al: "Incompressibility of nuclear matter, and Coulomb and volume-symmetry" physical Review C. 53・5. 2542-2545 (1996)
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[Publications] M.Nakano et al: "Nucleon Free Mean Path in Nuclear Matter based on NSD Formalisim" Progress of Theoretical Physies. 96,1. 179-189 (1996)
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[Publications] M.Nakano et al: "compressio nalProperties of Nuclear Matter in the Relatinistie Theory" Progress of Theoretical Physies. 96・1. 191-201 (1996)
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[Publications] M.Nakano et al: "compressio nalProperties of Nuclear Matter in the Relatinistie Theory" Progress of Theoretical Physies. 96・1. 191-201 (1996)M.Nakano et al:
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[Publications] "A New Calculation of The Meson Selfenergies." PANIC '96 Proceding. 96・1. 357-360 (1996)