1997 Fiscal Year Annual Research Report
3d遷移金属化合物の電子構造のスピン分極修正直交化平面波法による研究
Project/Area Number |
08640441
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
北村 通英 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (90161497)
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Keywords | 電子構造 / 遷移金属化合物 |
Research Abstract |
本研究の目的は、極めて興味深い物質系である3d遷移金属化合物(NiAs型、ルチル型、ペロブスカイト型など)の電子構造を、スピン分極修正直交化平面波(SP-MOPW)法に基づいて明らかにすることである。平成8年度中にスピン分極自己無撞着(SP-SCF)原子構造計算に基礎を置くマフィン・ティンポテンシャル場内でのSP-MOPW法を開発し、この方法をNiAs型強磁性体の電子構造計算に適用した。しかしながらその後、SP-MOPW法をさらに電荷に対する自己無撞着性をも満足するように拡張することが今後の研究において不可欠であることが明らかになった。しかしながら、SP-MOPW法を自己無撞着電荷(SCC)の枠組みに拡張することはそれほど容易ではないので、平成9年度においては、第一段階として、自己無撞着電荷拡張ヒュッケル強結合(SCC-XHTB)法に基づいたバンド構造計算を開発し、この方法を、電荷状態が極めて重要な役割を演じるペロブスカイト型強誘電体酸化物の電子構造計算に適用し、この方法が有用であることを確認した。そこで次に、SCC-XHTB法を、スピン分極した物質にもさらに適用できるように拡張し、スピン分極自己無撞着電荷拡張ヒュッケル強結合(SP-SCC-XHTB)法に基づいたバンド構造計算を開発した。この方法をルチル型遷移金属酸化物TiO_2,VO_2,NbO_2,TaO_2,CrO_2,MnO_2の電子構造計算に適用し、非磁性相のみならず磁性相にも適用できることを確認した。 本研究費交付期間(平成8、9年度)中に当初の目標を全て明らかにすることは残念ながら出来なかった。しかしながら、問題点は明確になったので、これらは今後の課題である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Kitamura, H.Chen: "Electronic structures and the phase stability of perouskite-type oxides KNbO_3 and KTaO_3" Ferroelectrics. 206-207. 55-68 (1998)
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[Publications] M.Kitamura, H.Chen: "Electronic structure calculations of perouskite-type oxides using the self-consistent-change extenaud Huckel tight-binding wetliol" Ferroelectrics. (印刷中). (1998)
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[Publications] M.Kitamura, K.Inoue, H.Chen: "Electronic structures of transition untal dioxides strclieu by the spin-polorigel self-consistut-change extended Huckel tight-binding wetliol" Material cecmistry and plgsies. (印刷中). (1998)