1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640445
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 實 東京大学, 物性研究所, 教授 (40029731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原林 透 東京大学, 物性研究所, 助手 (90251488)
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Keywords | 一次元スピン鎖 / ハイゼンベルグ模型 / スケーリング / 磁化曲線 / 梯子模型 / ダイマー状態 |
Research Abstract |
S=1反強磁性鎖では一般にエネルギーギャップがあるが交替して強度が変化する場合はギャップがゼロになる場合があることが予言されていた。これについてはNi(333-tet)(μ-N_3)(ClO_4)がこれに近い物質であることが考えられたので量子モンテカルロ計算や厳密対角化の計算を行い、理化学研究所の萩原氏達との実験結果と比較し、良い一致が得られた。これは大学院生や学振研究員であった河野君や、中野君との共同研究である。また可解模型では一般に無限個の保存量が存在するが、これを使ってある種の相関関数の計算を行った。またギャップがある場合の一次元系の絶対零度での磁化曲線はm=(H-H_C)^<1/δ>の形を持つが多くの場合にδ=2であることを示すことができた。これにはS=3/2の一次元鎖やボンド交替のある場合や、磁化プラトーの場合も含まれる。 長距離相互作用のある系は短距離相互作用の系と異なる性質がある。例えば一次元及び二次元の短距離相互作用系に有限温度での相転移はないが、我々は、複数の近似の共通する結果として、長距離の相互作用を持つ系が有限温度で相転移を示したり、相関距離の低温でののびかたが変化する様子を明らかにした。また、長距離相互作用の系で、ダイマー状態やVBS状態と言った厳密に書き下せる基底状態を持つハミルトニアンが数多く存在することも見い出した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M.Hagiwara: "Experimental Verification of the Gapless Point in the S=1 Antiferromagnetic Bond Alternating Chain" Phys.Rev.Lett.80. 1312-1315 (1998)
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[Publications] T.Sakai: "Magnetization Plateau in an S=3/2 antiterromagnetic Heisenberg chain with anisotropy" Phys.Rev.B. 57. R3201-R3204 (1998)
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[Publications] H.Nakano: "A Plateau in the Magnetization Process of the S=1 Spin Chain" J.Phys.Soc.Jpn. 67. 1126-1129 (1998)
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[Publications] T.Sakai: "Critical exponent in the magnetization Curve of quantum spin chains" Phys.Rev.B.57. R8091-R8094 (1998)
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[Publications] T.Sakai: "Anisotropic S=3/2 antiferromagnetic chain in a magnetic field" Physica B. 246-247. 375-377 (1998)
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[Publications] M.Tsukano: "Spin-1 XXZ chains in a staggered magnetic field" Phys.Rev.B. 57. R8087-R8090 (1998)
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[Publications] M.Takahashi: "Conformal Field Theories and Integrable Models" Z.Horvath and L.Palla, 251 (1997)