1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640480
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
太田 隆夫 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (50127990)
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Keywords | 反応拡散系 / パルスダイナミクス / 界面方程式 / 非線形散逸系 / 弾性的衝突 / パルス方程式 / 複素ギンツブルグランダウ方程式 / 分岐 |
Research Abstract |
反応拡散系におけるパルスの相互作用をダイナミクスを研究した。特に、パルスが衝突において弾性的反射をするメカニズムを明らかにした。 1 2変数興奮・抑制因子からなる反応拡散系における界面方程式を導出した。この方程式からドメインの運動に関してこれまで知られているすべての結果が導きだせるだけでなく、なぜ、非線形散逸系の界面が衝突において弾性的振る舞いをすることができるかを明らかにした。パラメータを変化させると動かない界面から一定速度で動く界面への分岐が存在するとき、この分岐がスーパークリテカルであり、かつ、界面間相互作用が斥力であれば、分岐点近傍では弾性的衝突が予言される。 2 上の理論の普遍性を調べるため、興奮・抑制因子からなる反応拡散系におけるパルスダイナミクスを展開した。得られたパルス方程式は上の界面方程式と本質的に同型であり、パルス間においても分岐点近傍で衝突は弾性的であることを示した。この結果は反応拡散方程式のシミュレーションで実際、確認することができた。 3 本研究で得た弾性的衝突のメカニズムが反応拡散系にのみ限らないことを示すため、複素ギンツブルグ・ランダウ方式における動かないイジング壁から伝搬するブロッホ壁への分岐点近傍でのシミュレーションを行った。理論の予言通り、分岐点近傍では衝突において弾性的に振る舞った。
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[Publications] T.OHTA: "Spontaneous formation of concentric waves" Physical Review E. 54・6. 6074-6083 (1996)
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[Publications] T.OHTA: "Collision of domain boundaries" Joural of Physical Society of Japan. 65・7. 1967-1970 (1996)