1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640482
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
垣谷 俊昭 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90027350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉森 明 九州大学, 理学部, 助教授 (90260588)
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Keywords | 電極反応 / モンテカルロシミュレーション / 非線形性 / 動的密度汎関数法 / 再配向ダイナミクス / 鏡像力 / 層構造 / 金属電極 |
Research Abstract |
本年は2つの課題「電極界面の電解質溶液の動的構造と電極反応メカニズムについてのモンテカルロシミュレーションによる研究」と「溶媒和ダイナミックスの動的汎関数法による研究」に基づいて、配向を持った分子液体の動的性質の解析を行った。最初の課題については、溶媒分子とイオンと反応体すべてに球状剛体分子の仮定を用いた。金属電極との相互作用は鏡像力としてとりいれた。その結果、外部から電圧がかからないとき、正負イオンはともに電極表面に直接吸着した。電圧がかかったとき、片方の種類のイオンが直接吸着し、他方の種類のイオンはその後ろに半径分ほど離れて配列した。その後ろには第1層と同種イオンが配列し、これを繰り返すいれこ状構造が得られた。これは今まで見いだされたことがない全く新しい層構造である。次に電極反応のエネルギーギャップ則を求めたところ、ベル型からずれた幅の広いものが得られた。このことは電極界面での溶液の揺らぎと反応体の位置揺らぎに大きな非線形性があることを示している。その起源は電極反応が基本的に1次元反応であることに依ることが示された。第2の課題については、溶質分子の電子状態を突然変化させたときに引き起こされる周りの溶媒分子の再配向ダイナミックスを動的密度汎関数法を適用して、解析的にもとめた。さらに、2種類の溶媒分子が存在する系についても解析をおこなった。それは溶媒和ダイナミックスにおける空間スケールが数十個の分子の大きさで、分子液体に特有な分極場の緩和がこのスケールで並進運動と結合すると期待され、興味深い。解析の結果、予想通りこの混合系の溶媒配向ダイナミックスには大きな非線形性がみられた。この場合も配向を持った分子系としての特徴が非線形性として現れることを示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Goto: "Monte Carlo Simulation Study on the Structure and Reaction at Metal-Electrolyte Interface." J.Phys.Soc.of Japan. 66. 1825-1835 (1997)
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[Publications] A.Yashimori: "Nonlinear Quantum Effects on ELectron Transfer Reactions." J.Electroanal.Chem.(発表予定). (1998)
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[Publications] A.Yoshimori: "An Inverstigation of Dynamical Density Functional Theory for Solvation in Simple Mixtures." J.Chem.Phys.(発表予定). (1998)