1997 Fiscal Year Annual Research Report
電界放出電子線の同時計数によるフェルミオンの二体干渉効果の観測
Project/Area Number |
08640509
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Research Institution | FACULTY SCIENCE AND ENGINEERING,SAGA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
豊島 耕一 佐賀大学, 理工学部, 教授 (50131769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 隆 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (60185163)
平良 豊 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (70145184)
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Keywords | 電界放出 / 電子ビーム / 強度干渉 / 強度相関 / 同時計数 / フェルミオン / アバランシエ・ディテクター |
Research Abstract |
フェルミオンである電子の,粒子交換に対する波動関数の反対称性に由来する電子ビームの強度干渉効果を,電界放出源からの電子の高速同時計数によって実験的に検証するのが本研究の目的である. 昨年度の研究により,時間のビン幅の非一様性が残る原因が遅延時間を切り換える回路の特性の違いによることが分かった. このため,回路に使用する論理素子をより高速のものに交換し,回路パターンもより精細な形に作りなおした.これにより大幅な改善が見られた.しかしまたあらたな非一様性の原因が発見された.この遅延時間切り換え回路の出力の長さは切り換え状態によって10ピコ秒程度のばらつきは避けられない.このパルスは補助的な同時計数回路に入力されるが,パルス幅はその計数効率に直接影響する.このためその前に整形されるが,通常のパルス整形回路ではどうしても入力パルスの長さの違いを出力にわずかながら反映してしまうということである.そのため補助的な同時計数回路の計数率が遅延時間切り換え回路の切り換え位置によって変調されてしまう. これを避けるため,出力パルスの長さが極めて安定な整形回路を,時間を決める素子として通常の抵抗-コンデンサではなくディレイラインを用いることによって製作した. 以上の努力の結果,熱電子ビームによりシステムの性能を総合的に評価したところ時間のビン幅の非一様性として10のマイナス5乗台の値が安定に得られる見通しができた.これは目的の実験のためには十二分とは言えないまでもほぼ適合する性能である. これらの努力により電界放出源からの電子ビームによって目的の実験を遂行する準備はほぼ整えられた.
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Research Products
(1 results)