1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640523
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
歌田 久司 東京大学, 地震研究所, 助教授 (70134632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤 浩明 東京大学, 海洋研究所, 助手 (40207519)
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Keywords | 長期型海底磁力計 / フラックスゲート / 磁場センサー / 長期安定性 / 全磁力 / 地磁気鉛直分力 / 球関数展開 / 地磁気永年変化 |
Research Abstract |
長期型海底磁力計の基本的なデザインを完成することを目指して,以下のような研究を実施した. 1.米国の研究者,J.H.Filoux博士の開発した吊磁石式の磁場成分センサーと,従来国内で研究観測に使用してきたフラックスゲート式の磁場センサーとの比較を行うことを目指したが,試験観測を行うのに適当な吊磁石式センサーを用意するのに時間がかかり,本年度にデータを得て考察を行うには至らなかった.そのかわりに文献調査を行い,吊磁石式センサーの温度係数を0.2nT/C程度と見積もった.本研究者らが使用してきたフラックスゲート式センサーについては地震研究所の八ヶ岳地球電磁気観測所および気象庁地磁気観測所において精密な温度係数の測定を行い,ほぼ吊磁石式と同程度の値を得た.この値は,深海底における微小な温度変化に対しては十分に無視しうるレベルであると結論した.一方,消費電力では従来言われているように吊磁石式がすぐれているが,フラックスゲート式センサーでは成分の大きさそのものを測定できる点がすぐれていることがわかった. 2.長期的な安定性の最大の障害となる,センサー全体の傾斜の影響を克服する手法として,傾斜を直接測定する方法とジンバルなどによりセンサーを自動的に水平に保つ方法の得失を比較検討した.非磁性材料でジンバル付の台を試作し,センサーを取り付けて短期間の試験観測をおこなった.ジンバルの精度および安定度は公称10秒で,地磁気成分にして1.5nT程度に対応する.実際に磁気センサーを取り付けて長時間の試験観測を行い,実効性能を明らかにする必要がある.さらに地磁気鉛直分力と全磁力観測のみのデータによる球関数展開の数値実験を行い,成分センサーと全磁力計(プロトン磁力計)の組み合わせでも,地磁気永年変化やグローバルな構造の研究に十分に役に立つ観測点となることを示した.
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Research Products
(1 results)