1996 Fiscal Year Annual Research Report
高精度・海洋大循環モデル構築のための乱流拡散率のマッピング
Project/Area Number |
08640543
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日比谷 紀之 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (80192714)
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Keywords | 内部重力波 / 非線形相互干渉 / 内部波平衡スペクトル / エネルギーカスケードアップ / 乱流拡散 / 台風 / 近慣性内部重力波 / バイスペクトル解析 |
Research Abstract |
数値モデルで再現される熱塩海洋大循環のパターンが、海洋の中・深層における乱流拡散パラメータの値に依存して大きく変化することからも推察されるように、高精度の海洋大循環モデルの構築には、乱流混合の適確なパラメタリゼーションが必要不可欠である。海洋の中・深層における乱流混合は、主にスケールの小さな内部重力波の砕波によって行われているが、そのエネルギーは元々、低波数域で大気擾乱などにより供給され、内部重力波の非線形相互干渉を通じて、波数スペクトル空間を乱流スケールまでカスケードアップしてくる。したがって、この内部波スペクトル内、励起スケールから乱流スケールまでのエネルギーカスケードアップ過程を理論的に解明できれば、より観測しやすい励起源の情報から、乱流混合の大きさやその空間分布を求めることが可能になる。そこで本研究では、まず、Hibiya et al.(1996)によって数値的に再現された内部波平衡スペクトルの鉛直低波数域、各周波数帯に外力を与えたときのスペクトルの応答を調べた。その結果、鉛直低次モード・ω〜2fに擾乱が与えられたとき、そのエネルギーが高鉛直波数・近慣性領域に効率的にカスケードアップされ、それに伴い流速場には鉛直スケールの小さなシア-流が次第に形成されて乱流混合が活発化することが示された。さらに、この鉛直低次モード・ω〜2fの擾乱が実際の海洋中においてどのような物理過程のもとに形成されるのかを調べるため、内部重力波場への主要なエネルギー供給源の一つである台風に注目し、3次元レベルモデル内において台風により励起された内部重力波場を対象にバイスペクトル解析を行った。その結果、鉛直第nモードと鉛直第(n+1)モード(5≦n≦15)の鉛直高次モードの近慣性内部重力波が非線形相互干渉することによって鉛直第1モード・ω〜2fの内部重力波が効率的に励起されていることが明らかにされた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Niwa,Y.,and T.Hibiya: "Nonlinear Processes of Energy Transfer From Travelling Hurricanes to the Deep Ocean Internal Wave Field" Journal of Geophysical Research. 102(in press). (1997)
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[Publications] Matsuno,T.,T.Hibiya,S.Kanari,and C.kobayashi: "Small Scale Internal Waves and Turbulent Fluctuations Near the Continental Shelf Break in the East China Sea" Journal of Oceanography. 53(in press). (1997)
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[Publications] Hibiya,T.,Y.Niwa,K.Nakajima and N.Suginohara: "Direct Numerical Simulation of the Rolloff Range of Internal Wave Shear Spectra in the Ocean" Journal of Geophysical Research. 101・C6. 14123-14129 (1996)
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[Publications] Hibiya,T.: "Generation of Internal Waves by Strong Tidal Flow Over a Continental Shelf Slope" Proceedings of the JSPS-VCC Joint Seminar on Marine Science ed.by Mohd.Zaki Mohd.Said,Univ.Pertanian Malaysia,Malaysia. (in press). (1996)
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[Publications] Matsuno,T.,S.Kanari,T.Hibiya,C.Kobayashi and S.Yanao: "Vertical Mixing Near the Continental Shelf Break in the East China Sea and Intrusion of Shelf Water Into the Kuroshio" Proceedings of the JSPS-VCC Joint Seminar on Marine Science ed.by Mohd.Zaki Mohd.Said,Univ.Pertanian Malaysia,Malaysia. (in press). (1996)
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[Publications] 丹羽 淑博、日比谷 紀之: "海洋内部波の非線形相互作用による乱流スケールへのエネルギーカスケードアップ過程の数値実験" 京都大学数理解析研究所講究録 研究集会「波の非線形現象の数理とその応用」. 949. 254-263 (1996)
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[Publications] 金成 誠一、嘉屋 吉郎、日比谷 紀之、杜葉 弘昭: "コード・スキャン型曳航式水温観測チェーン・システムについて" 北海道大学地球物理学研究報告. 59. 107-118 (1996)
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[Publications] 関根 義彦、日比谷 紀之: "シンポジウム「内湾と外洋の相互作用」のまとめ" 沿岸海洋研究. 34・1. 1-2 (1996)