1996 Fiscal Year Annual Research Report
長崎半島における地形性降雨の発達過程と島原半島の豪雨災害に関する研究
Project/Area Number |
08640548
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
荒生 公雄 長崎大学, 教育学部, 教授 (40039425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 重勝 長崎大学, 水産学部, 教授 (50001590)
藤吉 康志 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40142749)
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Keywords | 気象レーダー / 対流性降雨 / 長崎半島 / 谷地形効果 / 島原半島 / 火山性土石流 |
Research Abstract |
東シナ海に,象の鼻のように突き出す長崎半島の中央部に位置する八郎岳(標高590m)は,それほど高い山ではないが,その南斜面に非常に深い谷地形を形成し(以下,これを千々谷と記す),この谷に海上から流入する南寄りの暖湿な気流は強制上昇によって容易に凝結できる状況にある。また,長崎半島付近の海域で発生した降雨セルは,しばしば東進して雲仙岳の火山性土砂流の元凶となっており,長崎半島の地形は島原半島方面の豪雨とも無関係ではない。本研究課題では,このような観点に立ち,長崎半島付近における降水雲の発達過程に関する観測と解析を行った。解析結果の概要は以下の通りである。 (1)これまでに得られたRHIレーダー観測資料を再点検した結果,1995年7月2日および同年7月11日に,千々谷が発生源と考えられる持続型ライン状降雨エコーが検出され,特に7月11日には諫早市東部(高来町)に2時間177mmの豪雨をもたらした。 (2)本年(1996)の観測においても,梅雨期の6月24〜25日,6月27日,6月29日の3回にわたって顕著な持続型ライン状エコーが観測された。それらは,いずれも南寄りの強い海風のもとで発生し,ラインの走行は上空の風向(3〜5km)と一致していたことから,千々谷起源の可能性が高い。 (3)本年6月24日の場合には,千々谷に対応する顕著なライン状エコーのほかに,弱いながら,第2,第3のラインも検出され,それらのラインも南側に開いた谷(大浜谷,相川谷)と対応することから,それらのラインの出現は千々谷効果を強く支持している。
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[Publications] 荒生公雄ほか: "雲仙岳周辺における1994年の降雨の特徴" 雲仙火山災害の調査研究(長崎大学). 第4報. 1-16 (1996)
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[Publications] 荒生公雄ほか: "島原半島を通過した1994年11月18日の対流性降雨の活動特性" 長崎大学教育学部自然科学研究報告. No.54. 7-20 (1996)
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[Publications] 荒生公雄ほか: "長崎市東部から諫早市方面に伸びるライン状降雨エコーの解析と地形効果に関する考察" 長崎大学教育学部自然科学研究報告. No.55. 9-22 (1996)
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[Publications] 荒生公雄ほか: "降水レーダーを用いた雲仙岳火砕流に伴う噴煙の構造に時間変化に関する事例解析" 火山. 41. 149-158 (1996)