1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640549
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
櫻井 仁人 鹿児島大学, 工学部, 講師 (10094145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山城 徹 鹿児島大学, 工学部, 助手 (20158174)
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Keywords | 黒潮 / SST / NOAA / 流軸 / 暖水流入 |
Research Abstract |
鹿児島湾から薩南海域を横断する定期船による表面水温(SST)の記録を使用してトカラ海峡の黒潮流軸移動に伴う水温水平分布の変化及び湾内暖水流入について調べた。その結果、流軸が南にあるとき(屋久島と奄美大島の中間位)、大隅海峡では等温線が流軸と平行して東西方向にのびているが、流軸が北上すると黒潮高温水が舌状に屋久島北西域にまで張り出す。再び流軸が南下すると暖水舌が残され、東に移動して大隅海峡を覆うようになる。この一部が鹿児島湾の東側から湾内に流入していることが見いだされた。 過去に行った湾口断面の側流結果からは、日比の断面流量を計算してその変動を検討した。これによると、日々の変化はかなり大きく湾の容積115km^3に対し流入量が最低では1億トンから最高50億トン近い日もあった。冬季は上層流入、下層流出、夏季は上層流出、下層流入が基本的であったが時として上層と下層で流入、中層で流出の3層構造の日があった。こような時には流量が非常に大きいこともわかった。XBT観測については暖水流入時にうまく合わせて観測できなかったので目的とする成果が得られなかったが、衛星データ(NOAA)を入手して、それから求めた湾内水温水平分布と定期船のSSTの変動を比較した。その結果、NOAAで暖水流入が見られる時には、定期船のSSTが湾内で変化が大きく特に湾口付近で急昇している。しかし、暖水流入が見られないときには湾口での急昇は見られず、また湾内の水温変化も小さいことが判明した。 今後の展開の1つとして湾を横断するフェリーに水温計を設置させてもらい、連続的にデータの取得を目指したいと考えている。
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Research Products
(1 results)