1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640549
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
櫻井 仁人 鹿児島大学, 工学部, 講師 (10094145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山城 徹 鹿児島大学, 工学部, 助手 (20158174)
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Keywords | 黒潮流軸 / 大隅分枝流 / 潮位差 / SST / 暖水流入 |
Research Abstract |
鹿児島湾への海水流入の1つの原因としてトカラ海峡における黒潮流軸位置の移動による流速断面構造を知るため種子島-奄美大島間で700mを無流面として地衡流計算を行なった。その結果、黒潮が北緯29度30分以南に位置すると40cm/s以上の強流帯は表面から500mまで同じ場所に存在するが、北緯30度付近まで北上したときには、表面から200mまでの強流帯は30度付近にあるが、それ以深の強流帯は29度30分以南にあり、2つに分かれた構造が見られた。 次に、鹿児島湾への影響の大きい大隅分枝流の変動特性を西之表(種子島)と大泊(大隅半島南端)の潮位差から検討した。経年変化では4.5年と2.2年周期が卓越しており、4.5年については大泊の潮位と2.2年については西之表と相関が良かった。これは、潮位差が大隅分枝流の岸側と沖側のそれぞれの潮位に依存していることを表わしている。また、差が大きいほど流速が強いとすると7月-9月の夏季に強く、3月-5月で弱いことが分かった。 鹿児島湾内の東西3点における水温連続観測の資料と鹿児島-名瀬間のフェリーに取り付けられた表面水温(SST)資料の解析から湾の東側の測点の水温が急昇したときには黒潮温度前線が湾内に侵入している時と一致していた。このことから、湾内の東西の違いを見るため湾を横断している鴨池-垂水間と山川-根占間の2測線のフェリーに水温計を取り付け測定を開始した。始めたばかりではっきりした傾向はまだ得られなかったが暖水流入については、横断面全体で昇温するがその割合が東側が大きいことが判明した。
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[Publications] 櫻井 仁人: "Process of Water Exchange Through the Month of Kagoshima bay" 鹿児島大学工学部研究報告. 39号(発表予定). (1998)
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[Publications] 山城 徹: "薩南海域での水温フロントと黒潮流軸位置の関係" 鹿児島大学工学部研究報告. 39(発表予定). (1998)
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[Publications] 櫻井 仁人: "太平洋の深層の流れ" 南太平洋海域調査研究報告. 31. 91-96 (1998)