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1997 Fiscal Year Annual Research Report

衛星モザイク画像による南極昭和基地周辺海域の海氷分布特性の把握

Research Project

Project/Area Number 08640551
Research InstitutionToba National College of Maritime Technology

Principal Investigator

石田 邦光  鳥羽商船高等専門学校, 商船学科, 助教授 (80149939)

Keywords衛星リモートセンシング / MOS-1 MESSR / 南大洋 / 海氷 / 沿岸ポリニヤ / Ice Band / Ice Streamer
Research Abstract

海氷の生成・成長・融解は海水の密度、成層構造を変化させ、海水の鉛直運動、水平運動の原因となることから、海氷の消長は大気-海洋大循環における駆動力の一翼を担い、地球上の気候に大きな影響を及ぼしている。特に、南大洋の海氷は、大洋に張り出しているために、風や海流によって絶えず沖合いに向かって流れ出る傾向があり、さらに大部分が一年氷であり、厚さも北極のものに比べて薄いといった特徴を持つ。このため、南大洋における海氷の時間変動は大きく、海氷域内での氷盤の分布、密接度、形状の変化、また氷縁の形状変動などの把握が、南大洋の海氷を正しく理解する上で必要不可欠であると考えられる。南大洋の海氷の把握に関しては、1970年代から、パッシブマイクロ波センサ(例えばDMSP SSM/I)によって、精力的に行われてきた。こうしたパッシブ・マイクロ波センサーは雲の影響の無い連続的な時系列データを得られる特徴を有するが、分解能が数十kmと低い。南極の昭和基地では、昭和基地を中心とする範囲(東南極大陸からその周辺を囲む海氷・海洋域)について、1989年から1996年にかけてMOS-1/1bの受信が行われた。しかしながら、MOS-1/1bによって得られたデータについては、解析事例がいたって少ないのが実状である。
本研究の目的は、こうして取得されたMOS-1/1b・MESSR画像(分解能:50m)を利用して、昭和基地周辺の海氷特性を明らかにしようとするものである。高分解能センサによる観測としては、航空写真やLANDSAT、NOAA等によるもがあるが、本研究のように数年にわたる数多くの高分解能画像データを解析した例はない。本研究では、画像に見られたいくつかの特徴的な海氷現象に注目し、その季節変動や空間分布特性について調べた。
その結果、南極海氷のメソないしサブメソスケールの特徴として、以下の点が明らかになった。
(1)Ice Bandsはどの季節においても見られ、氷縁付近から氷野内部へ数100kmの範囲に及んで形成されている場合がしばしば観測された。
(2)1989-1992年の観測では、冬季から夏季に向かってIce Bandのスケールが小さくなっていた。
(3)沿岸ポリニヤ内ではFrazil iceないしNew iceが筋状に定着氷から沖へ流れている様子が観測された。
(4)筋状の流れの方向には、海洋の流れの場の影響が示唆された。
(5)ポリニヤ内に見られたFrazil iceないしNew iceの筋は、ラングミュアー循環のスケールより1-2オーダー大きく、Deep convectionを表出している可能性がある。
(6)融解期に見られる開水面は、毎年同じ位置に作られることが分かった。その形成要因の一つには海底地形の影響が考えられるが、確かなことはこれからの研究課題である。
(7)沿岸ポリニヤ内の氷盤の運動は基本的に海洋の流れを反映していると考えられる。また、定着氷側で比較的速い速度を持っていた。
(8)マラジョージナヤ基地沖には毎年同じ位置に同じ形で沿岸ポリニヤが形成されやすいことが分かった。

  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Publications (4 results)

  • [Publications] 石田邦光・大島慶一郎・山内 恭: "MOS-1/1b・MESSRによる南極昭和基地周辺の海氷について -海氷探知の可能性を中心に-" 第11回オホーツク海と流氷に関する国際シンポジウム講演要旨集. 122-127 (1996)

  • [Publications] 石田邦光・大島慶一郎・山内 恭・神沢 博: "MOS-1/1b MESSRに見られる南極海氷の特徴-1" 日本リモートセンシング学会 第22回学術講演会論文集. 241-244 (1997)

  • [Publications] Kunimitsu ISHIDA,Kay I.OHSHIMA,Takashi YAMANOUCHI and Hiroshi KANZAWA: "Some Features of the Antarctic sea ice observed from MESSR images(Abstract)" Proc.NIPR Symp.Polar Meteorol.Glaciol.11. 270 (1997)

  • [Publications] 石田邦光・大島慶一郎: "MOS-1/1b MESSR画像による南極昭和基地沖の沿岸ポリニヤ観測(1989.2-1992.1)" 第13回オホーツク海と流氷に関する国際シンポジウム講演要旨集. 129-135 (1998)

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Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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