1996 Fiscal Year Annual Research Report
超高分解能赤外分光装置の同時観測によるオゾン層破壊関連物質の高度分布測定
Project/Area Number |
08640559
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 英彰 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (20217722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 真 国立極地研究所, 助教授 (70236404)
小池 真 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (00225343)
近藤 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (20110752)
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Keywords | オゾン / 赤外分光 / FTIR / 高度分布 / 成層圏 / 大気化学 |
Research Abstract |
本年度は、研究実施計画に従い、平成8年10月に東北大学の移動型レーザーヘテロダイン赤外分光計(TDLHS)を、名古屋大学母子里観測所に設置した。そこで、名古屋大学のフーリエ変換分光器(FTIR)との赤外分光同時観測を約2週間にわたって実施した。この間、TDLHSではオゾン(O_3)及び亜酸化窒素(N_2O)を、FTIRではそれらに加え、塩酸(HCl)、硝酸(HNO_3)弗化水素(HF)などの微量気体成分の吸収スペクトルを観測した。また、同時観測期間中、2回のオゾンゾンデ観測を行い、オゾンの鉛直分布の同時観測データを得た。 今回得られたオゾンなどの吸収スペクトルを持ち帰って、それぞれの解析プログラムを用いてオゾンの高度分布の導出を行った。そして、得られた高度プロファイル同士を比較・検討した結果、二つの異なった観測器によって得られたオゾンの高度プロファイルは、測定誤差の範囲内で良く一致することがわかった。また、同時に行ったオゾンゾンデによるオゾンの高度分布とも比較したが、こちらも細かい構造を除いてはよく一致していることがわかった。 ただ、TDLHSの解析では、分解能を最大にとって解析を行った場合に、波状に振動したような高度分布が出ることがわかった。来年度は、お互いの観測スペクトルを交換して相手の解析プログラムにかけてみて、解析手法同士の比較を行い、波状の振動の原因などについて解明していく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] I.Murata: "Accuracy of total ozone column amounts observed with sdar infrared spectroscopy" Geophysical Research Letters. 24. 77-80 (1997)
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[Publications] H.Nakajima: "Retrieval of height profiles of stratospheric ozone from ground-based infrared solar spectra obtained at Rikubetsu,Japan" Proceedings of 18th Ozone Symposium-96 (L'Aquila). (1997)