1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640579
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Research Institution | Osaka city University |
Principal Investigator |
前島 渉 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (20173700)
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Keywords | ストーム堆積物 / 堆積相 / 波浪限界深度 / 陸棚 / 上部外浜 / 浅海砂州 / 海浜回復過程 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き新第三紀の山陰-北陸区に属する北但層郡村岡累層の研究を進めるとともに,瀬戸内区の唐鐘累層,南海区の三崎層群竜串層についても検討を加えた.その結果,海浜から陸棚までの,様々な深度,環境のもとでのストーム堆積作用,特に堆積物の相変化と堆積機構の解明と,ストーム作用の地層記録への保存ポテンシャルについて新しい知見を得た.村岡累層の研究では、ストーム堆積物が主として複合流,特に直進成分の影響が強い状況下で形成されたことが明らかとなった.また,ストーム堆積物は堆積相のスペクトラムをなしており,ストーム堆積物が細粒化,薄層化するにつれて振動成分の影響が弱くなる傾向が認められる.このスペクトラムはストーム波浪限界深度をはさんでの,ストーム堆積物の相変化を表していると考えられる.さらに,厚い砂岩層の直上には厚い泥岩層が重なることが多く,沿岸部での砂の集積能力が十分でなかったため規模の大きなストームの後にはストーム作用が地層に記録されにくいような,非平衡状態が一定期間続いたことを物語っている.唐鐘累層の研究では,ストーム作用の記録が地層中に保存されにくい上部外浜堆積物を検討した.その結果,ストーム期の海浜浸食と,ストームによって沖合へ運ばれた物質がストームの減衰段階から静穏期にかけて沿岸州を作りつつ陸方向へ再動付加されていった過程が明らかとなった.ストームのピーク時から静穏期にかけての海浜の回復過程を復元した。三崎層群竜串層については,浅海砂州の形成過程,特に砂州堆積におけるストーム作用の役割を検討した.そして,竜串層下部の浅海砂州堆積体にはストーム作用の記録が卓越しているが,砂の集積による砂州の形成は本質的には河川流もしくは河川流と引き潮流の複合作用によって起こったこと,ストームは砂州の既存堆積物の再動にのみ深く関わっていたことを明らかにした.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 前島 渉: "Storm-dominated middle to outer shelf sedimentation in the Tertiary Hokutan basin,southwestern Japan." Vistas Geological Research,Utkal Univ.Spec.Pub.No.2. 1-14 (1997)
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[Publications] 前島 渉: "Facies spectrum and proximality trends in middle to outer shelf storm deposits in the Miocene Hokutan basin,southwestern Japan." Earth Sci.(Chikyu Kagaku). Vol.52 No.2. (1998)