1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640580
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
熊井 久雄 大阪市立大学, 理学部, 教授 (40020680)
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Keywords | 直下型地震 / 地下水 / 帯水層常数 / 基盤岩類 / 空隙率 / 第四紀地史 / 風化 / 地下水位 |
Research Abstract |
1.研究目的:兵庫県南部地震の際の地下水の動きから,基盤の花崗岩類の亀裂が地震によって急激に増加し,地下水の流動に大きな変化をもたらせた.このような現象に対して,そのメカニズムを明らかにするとともに,一般的に言われている"深層風化"の原因のひとつがこのような現象の積み重ねでではないかととの仮説にもとずいて,その証拠を科学的に集める. 2.本年度の研究計画とその成果:(1)地震前の井戸の状態の整理:大阪府下と淡路島の井戸群について,その諸元や水位記録を収集した.ことに,大阪平野で掘削された井戸については地震前後の地下水位記録を整理し,帯水層別の影響を集約して,主として砂層の液状化による厚密が地層の続成作用に影響を及ぼしていることを明らかにした.(2)現地調査と試料採取:花崗岩の風化が更新世の段丘化とどのように関連しているのかを明らかにするために,大阪平野周辺と中部地方の風化花崗岩を高度別に採取して,その風化程度を黒雲母をもちいて検討した.現在の分布高度の高いものほど風化が進んでいることがわかった.(3)亀裂の立体的統計処理:大阪府下の花崗岩の亀裂を計測して,その立体的な配置をコンピュータ入力した.近くの断層の影響が見られるほか岩体の膨潤を示すようなものも想定される.(4)石英の水和層測定:亀裂発生の相対的年代差を知るために亀裂に露出する石英の水和層の暑さを測定することを試みたが薄片作成の過程でうまく行かず,問題点として来年度に持ち越された.
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