1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640583
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
鮎沢 潤 福岡大学, 理学部, 助手 (70184249)
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Keywords | 堆積岩 / 炭素質物質 / 無機炭素 / 有機炭素 / 自生鉱物 / 物質移動 / 炭田 / 油田 |
Research Abstract |
本研究の目的は、堆積岩中に含まれる有機態・無機態炭素の存在形態、存在量、および炭素質物質間の相互関係を、各時代・地域を代表するいくつかの試料について明らかにしようとするものである。科学研究費補助金交付申請書に記載の使途および計上額に沿って、本年度は下記の研究を行った。 まず、北海道の白亜系・第三系、および新潟・秋田県下の油田第三系において計15日間の野外調査と試料採取を行った。また、山口県下の夾炭三畳系および佐賀・長崎県下の夾炭第三系においても計6日間の補足的な試料採取を実施した。調査を行った北海道の白亜系では、有機炭素からなる黒色頁岩が出現・消滅する層準を把握することができた。また、白亜系から古第三系へいたる系統的な堆積岩および自生炭酸塩鉱物(方解石、菱鉄鉱、アンケライト)試料を収集した。他地域においても、計100点を越える炭素質(有機質)堆積岩試料を得ることができた。 採取試料は本研究の設備備品費で購入した機器によって、分析の前処理および顕微鏡観察試料の調製を行い、一部の試料については写真撮影、画像処理、解析まで完了した。これにより、来年度に精査を行うためのルートを絞りこむことができた。残りの試料の室内実験は現在も遂行中であるが、来年度はじめまでには処理を完了し、炭素含有量の測定と安定同位体比の測定に着手する予定である。なお、これまでの研究成果の一部は別項に記載の雑誌論文で発表したほか、2編が準備中である。
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Research Products
(2 results)