1996 Fiscal Year Annual Research Report
東南極エンダービ-ランド,レイナ-岩体の地殻形成過程
Project/Area Number |
08640584
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
白石 和行 国立極地研究所, 研究系, 教授 (90132711)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本吉 洋一 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (90211606)
加々美 寛雄 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (20108179)
|
Keywords | 東南極 / 地球年代学 / ゴンドワナ / 変成作用 / イオンマイクロプローブ |
Research Abstract |
これまでのSHRIMPを用いた研究から、レイナ-岩体は変成作用の時期が5億年の地域と10億年の地域とに分かれることがわかった。今年度、SHRIMPで得られた年代の確認も含め、Sm-Nd,Rb-Sr法をレイナ-岩体の中のサンダーコックヌナタ-クのグラニュライトに適用した。その結果、チャーノカイト質グラニュライト6試料については、そのRb-Sr全岩アイソクロン年代が967Maとなり、ジルコンのSHRIMP年代977Maとよい一致を示した。また、全岩アイソクロン年代で使用した試料のうち1試料を用い、フェルシックフラクション、黒雲母、ザクロ石を分離して、全岩鉱物アイソクロン年代を求めたところ、Rb-Sr法で476Ma,Sm-Nd法で614Maという年代が得られた。このことは、サンダーコックヌナタ-クの岩石は、約10億年前に主要な変成作用を受けたことが明らかになった。Rb-Sr全岩-黒雲母年代は恐らく冷却年代と思われるが、Sm-Nd全岩-ザクロ石年代については、6億年前の弱い熱的影響のためなのか、あるいはザクロ石のコア部とリム部の同位体組成に違いがあるためなのか、今後検討の余地が残されている。 岩石学的検討から、サンダーコックヌナタ-クのグラニュライト中のザクロ石には、顕著な化学組成上の累帯構造が認められており、この構造と年代値とがどのように対応するのか、変成履歴の観点から明らかにする必要がある。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 白石和行: "南極から見たゴンドワナ" 月刊地球. 18. 404-409 (1996)
-
[Publications] 本吉洋一: "超高温変成作用-東南極ナピア岩体を例に" 月刊地球. 18. 358-362 (1996)
-
[Publications] Shiraishi,K.et al.: "Re-examination of the metamorphic and protolith ages of the Ray Complex,Antarctica" Antarctic Geology and Geophysics. (印刷中).