1996 Fiscal Year Annual Research Report
ppbレベルの低濃度ガス(有機ハロゲン化合物)保存のための容器材質の検討と評価
Project/Area Number |
08640628
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
横内 陽子 国立環境研究所, 化学環境部, 主任研究員 (20125230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
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Keywords | 標準ガス / 有機ハロゲン化合物 |
Research Abstract |
1.重量法による低濃度標準ガスの作製と試験用容器への充填:塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの7種類の有機ハロゲン化合物の混合標準ガス(希釈ガス:高純度窒素)をそれぞれ3段階の濃度レベル(1ppm,1ppb,100ppt)で調整した。1ppbの標準ガスについては、5種類の容器(汎用アルミニウム容器、アルミニウム1s容器、汎用マンガン鋼容器、マンガン鋼1s容器、ニッケルメッキマンガン鋼容器)に加圧(100気圧)充填して、保存試験に供した。100ppt標準ガスはマンガン鋼1s容器のみで試験を行った。1sとは表面粗度が1μm以下に研磨されたものを指す。 2.1ヶ月〜3ヶ月の保存性:5種類の容器に充填した1ppbの標準ガスについて、充填後1ヶ月後と3ヶ月後に濃度測定を行った。ここで、汎用Al容器詰めのガスについては何らかの汚染を示すデータが得られたので以下の議論から除外する。汎用Mn鋼容器とNiメッキMn鋼容器ではいずれの化合物についてもAl1s容器とMn鋼1s容器充填のものより低濃度であった。特に、臭化メチル、ヨウ化メチルの減少が顕著で3ヶ月後には検出限界以下となった。Al1s容器とMn鋼1s容器では四塩化炭素を除くガス濃度に顕著な差は見られなかったが、Mn鋼1s容器中の四塩化炭素は大きな減少を示した。以上の点から、表面が滑らかな1s容器が低濃度ハロカーボン標準ガスの保存に優れ、アルミニウム1s容器が四塩化炭素も含めて最もよい成績であった。 平成9年度には、新たに重量法によって1ppb及び100pptの標準ガスを作製し、これを8年度作製のものと比較することによって、1年間の濃度変動を定量的に把握し、極低濃度標準ガスの高圧ガス容器中における保存の可能性について結論を得る予定である。
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